
高市首相はトランプ大統領からおだてられ、すっかりその気になった。=10月、米軍横須賀基地 写真:総理官邸HPより=
防衛費が初めて9兆円を超える。禁じ手とされる建設国債を6千億円充てるそうだ。高市内閣の2026年度当初予算案である。
歴史のコマが昭和の戦前・戦中に逆戻りしたような錯覚を覚える。当時の内閣は戦費調達のため国債を乱発していた。国債発行で無謀な戦争を遂行していたのである。
身の丈に合わぬ財政運営。当然の帰結として国債はクラッシュしインフレとなった。日本銀行券は紙くずと化したのである。
いつか来た道を悪びれることなく歩いているのが高市政権だ。対中強硬論のなか「核保有」発言まで飛び出した。戦争に向けた世論づくりをしているのではないか、と勘繰りたくもなる。

貴金属店前には金を求める人の長蛇の列が。=28日朝、都内 撮影:田中龍作=
有事に強いのが金である。都内の有名貴金属店には、朝10時30分の開店前から長蛇の列ができていた。100人近くいただろうか。先頭の女性は朝6時20分に来たそうだ。
金の販売価格は店員によれば5グラム=18~19万円。100万円までの買い物であれば、現金払い。100万円を超えれば銀行振り込みとなる。
金購入の目的を聞くと、70代の男性は「トランプ(米大統領)が不安定で危ない動きをしているから」、60代の男性は「投資のため」と答えた。

高市首相は米空母上でタカ派のプライドをくすぐられたようだ。=10月、米軍横須賀基地 写真:総理官邸HPより=
名将・武田信玄は武器購入や築城よりも治山治水に力を注いだ。
領民が安心して暮らせなければ、戦さなどできないからだ。木材を伐り出せば森はハゲ山になる。戦費を調達すれば国が貧しくなる。
高市首相に「人は石垣、人は城」などと言っても分からないだろうが。
干戈を交えずとも強国を作り上げ民百姓が安心して暮らせる。国防の極意である。
~終わり~
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