
若者たちは機動隊の猛攻に遭いながらも、市役所前を死守した。火を燃やして暖を取りながら夜を明かした。=24日朝、イスタンブール市役所前 撮影:田中龍作=
警察による過酷な鎮圧にも若者たちはめげていなかった。
23日夜、機動隊はデモ隊はじめ支援者やジャーナリストに催涙弾を乱射し棍棒で殴り付けたのである。
一夜明け、デモ隊と機動隊が衝突した市役所前をのぞいた。「やはり」の感もあったが驚いた。
デモ隊の若者たちが市役所前に座り込んでいるのである。顔見知りのメンバーが何人かいたので、デモ隊であることは間違いない。
火を燃やして暖を取った野営の跡があった。青年に「エルドアンが辞めるまで、ここをオキュパイするのか?」と聞くと、彼は「そうだ」と拳を振りかざしながら答えた。

機動隊に追われる際、脱げ落ちた靴。=24日朝、イスタンブール市役所前 撮影:田中龍作=
市役所玄関前に設えられた鉄柵には、50~60足もの靴が掛けられてあった。ピンと来た。確認のためにメンバーに聞くと、やはり「機動隊に追われる際に脱げ落ちた」。
ちなみに田中の靴は「脱げ落ち防止」のためにゴム紐で結わえてある。
屈強な機動隊員の襲撃に遭い、若者たちは這う這うの体で逃げたのだろう。幸い死者は出なかったそうだ。
田中が写真を撮り、インタビューしていると私服刑事が来た。道路の中央分離帯には機動隊一個小隊が盾を構え控えていた。
道路を行く車は、市役所前の占拠を目指すデモ隊の若者たちにクラクションを鳴らして応援する。革命モードがしだいに高まりつつあるようだ。

昨夜と比べたら100分の1の規模だが、機動隊が出動し、「占拠は許さない」という警察の姿勢を示した。=24日朝、イスタンブール市役所前 撮影:田中龍作=
~終わり~
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トルコ情勢は重大な局面を迎えました。トルコは地域の大国としてウクライナ情勢や中東情勢に多大な影響を与えます。日本の外交政策にも影響を及ぼすことになります。
破産したら隅田川に身投げするくらいの決意で田中は取材に来ております。御支援何とぞ申し上げるしだいです。