
玉木雄一郎。与野党から担がれて笑顔がこぼれる。=14日、衆院会館 撮影:田中龍作=
総理に一番近い男、玉木雄一郎・国民民主党代表の定例記者会見が、きょう14日、国会内であった。
記者会見場は次期総理の写真を撮っておこうというスチールカメラマンがワンサと詰めかけた。
記者クラブメディアの質問は政局に集中した。とりわけ連立政権の組み合わせと首班指名に。
社のデスクから「聞いてこい」と命じられているのだろう。「きょうの(幹事長会談の)段階で『玉木雄一郎と書いてください』というところまで行かないのか?」と答えを焦る記者もいた。
玉木次期総理はマスコミ各社の共通認識なのだろう。
玉木は「政権を共にするのであれば基本政策の一致が必要」と一貫して答えた。とりわけ「安全保障はいささかの揺らぎがあってもいけない」としてピッタリと政策を一致させる必要があるとした。

「玉木総理」に備えて資料写真狙いのスチールカメラマンが詰めかける。=7日、衆院会館 撮影:田中龍作=
田中はこれに首を傾げた。経済政策やエネルギー政策ならともかく国防・安全保障は考え方が違う勢力を一つ位抱え込んでおいた方がいい。
戦前の日本のように政府をあげて誤った道に進んだ時に、ブレーキの役目を果たせるからだ。
イスラエルのネタニヤフ連立政権は、6党すべてが極右を含む右派で占められている。結果、今の惨劇がある。
左派の労働党が入っていれば、無謀な戦争はなかっただろう。
田中は上記を質問したが、玉木は次のように答えた。
「すでに自衛隊は同盟国の艦船を何百回も防護している。政権が変わって『それはできない』とは言えない」。
戦争に巻き込まれた場合、最も心配なのが原発だ。ウクライナのザポーリジャ原発は、ロシア軍の攻撃を受け、幾度も電源喪失の危機に瀕している。
原発再稼働に積極的な国民民主党の「安全保障政策」の中に「原発をどう守るか」が入っていないのだ。田中がそれを指摘すると―
玉木は「入ってませんかね?」とトボケた。

蓮舫議員は自らのXに「私は、SNSで他の政党の議員を笑いながら語ることはしません」と投稿した。=撮影:田中龍作=
11日にアップロードされた「たまきチャンネル」に批判が殺到している。玉木と幹事長の榛葉が立憲の蓮舫議員をイジッて喜んでいるのだ。
酒が入っているわけでもないのに、オッサン二人が「キャッ」「キャッ」と奇声をあげているさまは醜悪である。
公党のそれも総理を目指す男と幹事長のあるべき姿ではない。
きょうの記者会見で「たまきチャンネル」が問題になるのかと思っていたら、誰一人として質問しなかった。
田中は上記の安全保障に関する質問で時間(※)を使い果たしたので、「たまきチャンネル」の失態を追及できなかった。
玉木が総理になったとしても、記者クラブメディアに守られて何事もなかったような日々が続くことだろう。危ういことには変わりないのだが。《文中敬称略》
(※)時間
質問時間が何分何秒と決まっているわけではないが、他の記者が待っているため、質問には限度がある。
~終わり~
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