
海保とくま候補。=21日、阿佐ヶ谷駅頭 撮影:田中龍作=
参院選挙の前哨戦となる東京都議会議員選挙は、あす22日投開票。
れいわ新選組から杉並選挙区(定数6)に立候補し、同党として都議会初議席を狙う海保とくま(30歳)の人生は壮絶である。
18歳の時、父親を失った。ここまではよくある話だが、精神疾患のある母親が「神の声が聞こえる」と言って神社にカネを奉納するのだそうだ。ただでさえ貧乏な世帯がどん底まで叩き落とされた。
大学院まで行くためバイトをしたが、足りないため、奨学金を借りた。その額800万円。
自動車メーカーのホンダに入社しエンジニアとして働いていたが、休職して都議会議員を目指す。
「貧困の当事者です」「(母親が)障害の当事者です」「生きていて良かったと思える社会にしたい」と声を振り絞った。
女子アナ、スポーツ選手、世襲が幅を利かす選挙にあって、れいわは社会の底辺を知る人物を擁立する。
貧困大国ニッポンを救うには、なくてはならない人材である。れいわがキャスティングボートを握った時、日本の政治は変わるかもしれない。《文中敬称略》

排外主義政党の街宣にはカウンターと警察が出た。=21日、阿佐ヶ谷駅頭 撮影:田中龍作=
【リベラル野党しのぐ排外主義政党】
選挙街宣のメッカともいえるJR阿佐ヶ谷駅は、北口、南口ともに排外主義を唱える政党が席捲した。
少し前まで某リベラル政党が同じ南口で街宣活動をしていたのだが、排外主義政党の方がはるかに聴衆の数が多い。
某リベラル政党は自公とまともに対決せず、茶番劇を繰り広げる。「なんちゃって野党」である。
与党が弱くてだらしなく、野党が与党と慣れ合う。それが続けば、ファシズムの台頭を招く。いま、この国は危険水域にある。
~終わり~
◇
田中龍作ジャーナルはとことん庶民目線です。