
機動隊の隊列は万里の長城(写真奥)のように続いていた。=25日夜、イスタンブール市役所前公園 撮影:田中龍作=
イスタンブール市役所前には、ふたつのデモがある。ひとつは最大野党CHPが呼びかける「平和デモ」。もうひとつは機動隊と衝突するデモ。
ふたつのデモは直線距離にして100mと離れていない。「平和デモ」は20時から始まるが、20時30分頃から、平和デモに参加していた若者たちは続々と機動隊と衝突するデモに繰り込み始める。
21時を回る頃には計測不可能なくらいの人数にまで膨らむ。数万人規模だろう(写真中段)。
当然、デモ隊の前進圧力は強まる。機動隊にとっては大きなプレッシャーだ。

現場は「平和デモ」を切り上げて機動隊と対峙する「衝突」デモに繰り込んできた人々で一杯になった。=25日夜、イスタンブール市役所前公園 撮影:田中龍作=
「レジェップ(タイイップ・エルドアン)イシテファー(=エルドアン大統領は辞めろ」のシュプレヒコールが怒涛のごとく押し寄せてくるのだ。
デモ隊の前進を止めきれなくなった機動隊は催涙弾の発砲を始める。
何度も言うが、機動隊は広範囲にわたって催涙弾を撃ち込むのである。それも一斉射撃で。
BBCによるとデモの逮捕者はトルコ全土で1400人となった。それでも若者たちはデモに繰り出す。
「死ぬまで抵抗」しなければ、自分たちの未来がなくなるからだ。

女性は「エルドアン(大統領)辞めろ」の願いを込めてリストバンドを木の枝にくくりつけた。=25日夕、イスタンブール市役所前公園 撮影:田中龍作=
~終わり~
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トルコ情勢は重大な局面を迎えました。トルコは地域の大国としてウクライナ情勢や中東情勢に多大な影響を与えます。日本の外交政策にも影響を及ぼすことになります。
破産したら隅田川に身投げするくらいの決意で田中は取材に来ております。御支援何とぞ申し上げるしだいです。