
喫茶店の中から手を振る有権者に応える玉木。=6日、戸越銀座 撮影:田中龍作=
スキャンダルに見舞われると大政党といえども、選挙は大敗を喫する。いずれも自民党だが、古くはロッキード事件(1976年)、最近では裏金事件がある。枚挙にいとまがない。
国民民主党も山尾スキャンダルが炸裂、党の対応のまずさもあって、支持率はダダ下がりとなった。
それでも今回の参院選挙で国民民主党は、マスコミの選挙予測によると現有の9議席から3倍近くまで増えそうなのだ。けさ(6日)の某大手紙には「国民(民主党)と参政(党)に勢い」の見出しが躍る。

支持者との記念撮影。=5日、上野 撮影:田中龍作=
都内の街宣現場を取材した。国民民主党代表の玉木雄一郎を見る有権者の目が真剣だ。
20代から60代まで年齢層は幅広い。若い夫婦連れの姿が目に付く。マイクを握った玉木が―
「政治の役割は国の懐を豊かにすることではなく、国民の懐を豊かにすることにある。税収の上振れ(税金の取り過ぎ)は国民の皆さんにお返ししたい」と話すと会場から拍手が沸いた。
商店街を練り歩くと「手取りを増やしてくれよ」と声援が飛ぶ。
田中は4歳の子供を連れた夫婦に話を聞いた。妻は「『手取りを増やす』ってのがいい」と応えると、「税金が多いのに目まいがする。税金を払わないと言っているのではない。納得したうえで払いたい」と怒気を含めるようにして話した。

子連れの夫婦は真剣に玉木の演説に耳を傾けていた。食い入るようだった。=6日、戸越銀座 撮影:田中龍作=
20代の男性(会社員)は「税金や保険料は安くならないものだと思っていた。ガチっと固まったものだと思っていた。それが初めて動きそうだ」と期待を込める。
40代の男性に「山尾スキャンダルは気になりませんか?」と聞くと「あってもね」と受け流した。田中が「スキャンダルより手取りを増やす方が大事ですか?」とさら問いすると大きく頷いた。
ほんの一握りの富裕層を除けば、生活は厳しい。食べて行くのも覚束ないありさまだ。
スキャンダルがあっても原発再稼働を推奨していても、生活して行けることの方が大事である。
言い方を換えれば、日本国民はそこまで追い詰められているのだ。《文中敬称略》
~終わり~