
前回(2014年)の戦争ではまだ食料が届いていたため、赤ん坊も驚くほどは痩せていなかった。=2014年、ガザ 撮影:田中龍作=
ガザの子どもは一様に小さい。「9歳?」と聞くと「11歳」という答えが返ってきたりする。2008~09年戦争時のことだったので、封鎖に遭っている今はもっと小さいだろう。
骨と皮だけになった子どもの姿に言葉を失う。
国連は22日、イスラエル軍の猛攻にさらされるガザ市などで50万人が飢饉に陥っている、と明らかにした。世界で5例目という。
飢餓は体力のない子どもを直撃する。ガザ保健省によると108人の子どもが栄養失調で死亡した。WHO(世界保健機構)のテドロス事務局長によると7月だけで1万2000人の子どもが栄養失調状態に置かれた。

国連の食糧が届いていても不十分なため、少年はやせ細っていた。=2014年、ガザ 撮影:田中龍作=
仮にあす戦争が終わったとしても、幼少期の栄養失調は知能や身体の発育に大きな支障を及ぼす。
子どもたちは大人になってからも大きなハンディを背負う。パレスチナの将来さえも危うくする。
頭脳明晰なユダヤ人のことだから、それも計算しているはずだ。
停戦協議が難航している間に、子どもはバタバタと倒れていく。国連は子どもだけでも逃がす方策をイスラエルと交渉しなければならない。
~終わり~
◇
『田中龍作ジャーナル』は読者のお力により維持されています。
現場主義のため取材費には多額の交通費を必要とします。御支援何とぞ宜しくお願い申しあげます。