ベネズエラ危機 ウクライナで手一杯のロシアは静観か

ベネズエラ軍の兵器の多くはロシア製。ロシアが権益を手放すだろうか。=ベネズエラ空軍最大のラカロタ基地。2019年、カラカス市内 撮影:田中龍作=

トランプ大統領は「ベネズエラ上空は完全封鎖されたものと見做してほしい」と自らのX(旧ツイッター)で述べた。

カリブ海にはすでに原子力空母ジェラルド・フォードを中心にした空母打撃群が展開している。麻薬密輸船と見られる船舶は大西洋に出たところを撃沈される。

ベネズエラ国内では軍が老人たちにカラシニコフを手渡していた。竹槍でB29に立ち向かうつもりでいた戦中の日本を彷彿とさせる。

狐につままれたようだ。ベネズエラにはロシアの軍事顧問団が駐留していて、田中はロシア軍将校たちをカラカス市内のホテルで目撃した。

地元の親露団体が主催したレセプションで紹介されていたので間違いない。

「タス通信」は過去にロシアがベネズエラに軍事基地を設けることを決めたことを明らかにしている。

場所は首都カラカスから北東におよそ200キロのカリブ海に浮かぶラ・オルチラ島だ。実現すればキューバミサイル危機の再来さえ予感させるではないか。

庶民は山肌から染み出てくる水を汲む。国が崩壊していて水道を維持できないのだ。2019年、カラカス市内 撮影:田中龍作=

ウクライナの停戦条件をロシアの都合のいいようにするから、ベネズエラは米国の好きなようにさせてもらいたい・・・などとするディールでもしたのではないか、と勘繰りたくもなる。

トランプ大統領とマドゥロ大統領は電話会談したとも伝えられている。マドゥロ大統領が亡命を受け容れなかったのだろうか。

米国は1989年、パナマの独裁者ノリエガ将軍を麻薬輸出などのカドで生け捕りにした実績がある。

ニューズウィークによれば、ロシアはベネズエラへの軍事支援に乗り出す構えを見せている。もしロシアが出てくれば、世界は一気に緊張する。

とはいえ、ロシアはトルコの侵攻を受けた同盟国のアルメニアを見捨てた経緯がある。2022年~23年にかけてのことだ。ウクライナに足を取られたのである。

 ~終わり~

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