
ヒズボッラーの構成員がいた住宅地はイスラエルにミサイル攻撃された。遺体回収作業は殺気だっていた。=2024年10月、ベイルート 撮影:田中龍作=
ネタニヤフという悪魔のせいでレバノンの戦火は絶えることがない。逮捕逃れを画策する悪魔は永久運動のように戦争を続けたいのである。
イスラエルは18日、「ハマスがいる」との名目でレバノン南部シドンのパレスチナ難民キャンプを空爆した。13人が死亡。
23日にはヒズボッラーの最重要拠点ダヒヤを攻撃、高位の幹部ハイサム・アリ・タバタバイ氏を暗殺した。いずれも停戦協定違反である。
ダヒヤは首都ベイルートの南郊外で国際空港に隣接する。

殉教者たちの遺影が所狭しと飾られていた。ヤシン師からアラファトまで。レバノンはパレスチナを抱え込んでいるのだ。=2024年10月、ダヒヤ 撮影:田中龍作=
レバノン政府はイスラエルに反発しているがポーズである。ヒズボッラーに対して年内の武装解除を求めているのだ。
ヒズボッラーを支援していたシリアのアサド政権は昨年末倒れた。ヒズボッラーはゲリラ戦に不可欠な後背地であるシリアを失陥したのである。
何より大元締めのイランが、今年6月にあったイスラエルとの12日間戦争で疲弊している。

ヒズボッラーの拠点レバノン南部はズタズタに破壊されていた。=2025年5月、撮影:田中龍作=
不幸は重なる。来年2026年末をもって国連の停戦監視団もレバノン南部から撤退するのだ。トランプの意向なので変更もありうるが。
イスラエル軍の前に国連軍は屁のツッパリにもなりはしないが、一応モニターとしての機能は果たしていた。2027年からはモニターさえいなくなるのである。
すでにレバノン南部は1㎞ほどイスラエルに侵食されているが、国連がいなくなればレバノン南部は相当部分が事実上のイスラエル領土となる恐れがある。
~終わり~
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