
玉木雄一郎代表。=撮影:田中龍作=
“今をときめく” 国民民主党が今夏の参院選挙に元NHKアナウンサーの牛田茉友氏(39歳)と会社員の奥村祥大氏(31歳)を擁立する。きょう23日発表した。
ひとりも参院議員を出したことがない東京選挙区にいきなり2人立てるのである。比例票の底上げを狙っているのだろうが、無謀という他ない。
安直な人選でもある。「選挙を舐めたらアカンぜよ」と言いたくなる。
玉木代表が22日の記者会見で「就職氷河期を経験した候補を立てる」と言っていた。
ところがフタを開けてみれば、奥村候補予定者は、大学を卒業して入社したのがKDDIである。あまりに恵まれた就職先なのだ。しかも氷河期世代ではない。
何十社も受けてやっと内定をもらった会社がブラック企業だった・・・なんて話はザラである。
正社員になっても炊き出しの列に並ぶご時世なのだ。
奥村候補予定者を個人攻撃しているのではない。「手取りを増やす」を政策に掲げて躍進した党にしては、青年たちの痛みを知らなさすぎるのだ。

山尾志桜里議員(当時)。=2020年、国会内 撮影:田中龍作=
女子アナで票をかっさらおうという発想も、これまた安直。有権者をバカにしすぎだ。
国民民主党をめぐっては、比例で山尾志桜里元議員の擁立も取り沙汰されている。
不倫は犯罪ではないが、議員パスの不正利用はれっきとした犯罪である。週刊文春の報道で不正利用が発覚した時、山尾氏の弁解はあまりにも聞き苦しかった。
「公私の区別を厳密にしているはずの私が職場も自宅も東京というなかで起きてしまった」と言ったのだ。この手の汚い言い訳をする人間はまた過ちをしでかす。
国民民主がキャスティングボートを握ったとしても、ここぞという時に山尾氏のスキャンダルが飛び出してきて、自民党に手もなくひねられるだろう。
こんな政党がキャスティングボートを握る。日本政治のレベルの低さである。
~終わり~
◇
田中龍作ジャーナルは読者のお力で維持されています。御支援よろしくお願い申し上げます。