
記者会見の後、山尾氏は苦しそうに天を仰いだ。=10日、衆院会館 撮影:田中龍作=
他人の下半身を追及するのは好きではない。下衆(ゲス)いからだ。
だが、究極の下半身トラブルである不倫問題が、与野党逆転のかかった参院選をいま揺さぶっている。
8年来の不倫騒動で国民の顰蹙と反感を買う山尾しおり氏が記者会見を開くというので、会場の衆院会館に足を運んだ。
「玉木総理」の呼び声さえあった国民民主党を急滑落させた山尾氏の公認。党内外からの批判と疑問に答えて、正直に話すのではないかと期待していたが、真逆だった。疑惑の当事者は相も変わらずウソを吐き続けた。
8年前、『週刊文春』に妻子ある男性との不倫関係を報道された際の記者会見で、山尾氏は「男女の関係はありません」ときっぱり否定した。田中はその記者会見に出席していたので、今でも鮮明に覚えている。
きょう10日の会見でも不倫問題に質問が集中した。記者団から質問されると山尾氏は「(男女の関係はない、とした)8年前の記者会見で話したことが事実です」と繰り返し答えた。『週刊文春』の報道を否定したのである。
田中は「ではなぜ週刊文春を名誉毀損で訴えないのか」と問うた。
山尾氏は「いろんな影響を考えた。そのうえで訴える事はしないことにした」とかわした。

山尾氏は記者から厳しい質問が飛ぶと身構えるような表情になった。=10日、衆院会館 撮影:田中龍作=
山尾氏がもし選挙に当選すれば、不倫相手の自死した妻の遺児は6年間、国会中継やニュースなどをテレビで観て苦しむ。子どもたちを傷つけることになるのではないか。
山尾氏は「その思いについて口にすることは、控えるべきだと思っている」と答えることさえしなかった。
「これは答弁拒否ですよ」と田中が追及したが、山尾氏は「済みません。申し訳ありません」とした。もう記者会見の体をなしていなかった。これで政府を追及できるのだろうか。

玉木代表がオンブお化けのように見えて仕方なかった。=10日、衆院会館 撮影:田中龍作=
《玉木代表が「もう一度やろうよ」と出馬を勧めた》
トラブルメーカーの山尾氏を、なぜ誰が公認したのか?「山尾出馬」が一部で報道された際、世の猛批判を浴びたにもかかわらず、だ。
山尾氏の説明によると「玉木代表からもう一度やろうよ」「憲法観をまとめてほしい。一年以内に」と言われたそうである。
山尾氏の説明が事実であるとすれば、玉木代表の判断は民意と大きくかけ離れていたことになる。世の中を甘く見ていたという他ない。
「山尾公認」で党の支持率が下がり続けても、玉木代表は生ぬるい対応を続けてきた。
こんな政治家を次期総理と持ち上げたマスコミや岸田前首相のセンスもお粗末である。
~終わり~
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