2024年最後の食料配布が、きょう31日夕方、東池袋公園であった(主催:特定NPO法人TENOHASI)。
年の瀬も押し詰まり、明日から新年を迎えるというのに、食料を求めて、午後早く長蛇の列ができた。食料配布開始は午後6時である。
列の先頭にいたのは75歳の男性。駒込在住の年金生活者だ。並んだのは午後2時30分からだが、あぶれるのではないかと不安になって午前中一度来たという。年末年始は食料が不足するからだ。
所持金は千円。実家に帰るための旅費2千円を借りられないものかと、主催者に尋ねてみるという。会場には医療や生活の相談コーナーもある。
後方のベンチで座ったまま待っていた男性は、新宿区在住の63歳。年金11万円/月で6万円の家賃を払うと生活は厳しい。
男性は徹底して節約するという。冷暖房は一切使わず、電燈も点けない。ガスコンロ、レンジなどの調理器具は使わない。
スーパーの惣菜は高いので買わない。缶詰とレトルトが主食だ。「(食料配布の)弁当は栄養のバランスが取れているので有難い」
シャワーは冬でも水だそうだ。
インタビューの最後に男性は呻くように言った。「物価が安ければいいんだけどねえ」。
貧困問題の取材を始めて四半世紀が経つ。炊き出しに立ち合うのが取材の中心だった。顔は撮影できない。主催者によっては取材そのものがNGだった。
炊き出しに並ぶのは2010年代まで野宿者(ホームレス)がほとんどだった。だが最近ではアパートや都営住宅などに住む人が過半数を占めるようになった。正社員さえ混じるようになった。
貧困が広がり、人々は食べて行けなくなっているのだ。与野党ともに無策であるため貧困は広がる一方だ。
2025年は社会の底が抜けて、餓死者が出たりしないことを祈るのみである。
~終わり~