
ボランティアの個人タクシーが山本理顕を街宣会場まで乗せてきた。=17日、六角橋商店街 撮影:田中龍作=
夜の帳が下り始めた六角橋商店街。焼き鳥屋から漂ってくる甘辛い煙が鼻孔をくすぐる。再開発流行りの大都市からは消えつつある匂いだ。
告示直前の立候補表明でありながら、無党派層を中心に支持を集める山本理顕は、出身地の神奈川区を最終日の街宣場所に選んだ。ここの飲み屋が好きだったと言う山本。焼き鳥を頬張っていたのだろうか。聞き忘れたのが残念でならない。
街宣会場に山本を乗せた車がすべり込んできた。個人タクシーの業者がボランティアでドライバーを務めているのだ。

井上さくら市会議員。選挙初挑戦の山本を実務面で支え続けた。=17日、六角橋商店街 撮影:田中龍作=
幅広くて大勢のボランティアが山本の選挙を支え続けた。
井上さくら横浜市会議員によると「ボランティア名簿を作っていないので(そんな時間の余裕はなかった)、人数は把握できない」。
初期の頃からのボランティアは「(新規のボランティアが)次から次へとやってきて顔を覚えきれない」と目を丸くして話した。
思想的にも右から左までバラエティーに富む。「右からデモ」を主催していた民族派のリーダーもいる。街宣活動に汗を流していた環境活動家はやや左だろうか。某左翼政党の支持者の姿もあった。

=17日、東神奈川駅デッキ 撮影:田中龍作=
山本理顕には感謝という言葉しか思い浮かばない。
地方政治とは誰のためにあるのかを教えてくれた。山本の政策においてそれは「住まい」だった。
収入の約半分を家賃が占めるような状態で、どうして人間らしい暮らしができよう。
山本は「安価な市営住宅を供給する」と訴える。具体的には空き室となった商店街の2階を市営住宅として借り上げるなどして。
住まいがカネ儲けの道具になってしまったことにこの国の悲劇がある。30年になりなんとするホームレス取材の経験から言えることだが、「住まい」があれば、人生いくらでも再生できる。再生の足場を奪っているのが、今の住政策である。
山本は出馬の動機を「怒り」だと語った。
どうしようもない政治の現実を見せつけられると諦めが先に立つ。
誰がやっても変わりはしないよ…と思うと選挙に行かなくなる→監視が緩くなる→政治が腐敗する→諦めが増しさらに選挙に行かなくなる→ますます腐敗する(今ココ)…
「怒り」こそ悪循環を断ち切るための原動力だ。山本は身をもって教えてくれた。山本のスピリットを引き継ぎ、今度は私たちが立ち上がる番だ。(文中敬称略)
~終わり~
◇
田中龍作ジャーナルは読者の御蔭で続いています。

















