
木守りの女性はイチョウにしがみついた。左は千代田区職員。=5日午前5時15分、神田警察通り 撮影:田中龍作=
きょう未明、千代田区は神田イチョウ並木の伐採を強行した。
2日、投開票があった千代田区長選挙で樋口高顕区長が再選されて、わずか3日目のことだ。
毎晩、並木に張り付いてイチョウを守ってきた木守りたちが引き揚げると、千代田区は狙いすましたように急襲してきた。午前4時だった。

女性が寄り添ったイチョウは伐採できなかった。=5日午前5時25分、神田警察通り 撮影:田中龍作=
チェーンソーの暴力的な金属音が、夜のとばりの残る神田警察通りに響いた。
警戒のために残っていた住民2人がイチョウにしがみついた。「工事の妨げとなります」。千代田区職員が連呼したが、住民は体を張って街路樹を守った。それでも今日は3本が切られた。
2022年4月27日から21本が伐採された。残るは11本(うち2本は移植対象)となった。

チェーンソー。「力づくでぶった斬る」。青龍刀を思わせる禍々しさがある。=5日、午前4時47分、神田警察通り 撮影:田中龍作=
伐採工事は違法であるとして、住民は工事代金の支払い中止などを求める訴訟を起こしており、判決が明日(6日)言い渡されるはずだった。
判決前に伐採を強行しておけばいい。たとえ敗訴しても。既成事実作りの思惑がモロ見えだ。
樋口区長は小池知事の弟子だけあって、どこまでも姑息である。

のこぎりの刃が入ると、樹齢70年といわれるイチョウはものの数十秒で切断された。=5日、午前4時47分、神田警察通り 撮影:田中龍作=
~終わり~
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