
ヒズボラの最重要拠点は連日のようにイスラエル軍の猛爆撃に遭う。手前も空爆による黒煙。=9日、ベイルート・ダヒア 撮影:田中龍作=
人間の想像を超えて身勝手でケチで冷酷非情。それがイスラエルという国である。ヒズボラ掃討をレバノン政府にやらせようというのだ。
カッツ国防相は7日、レバノンのジョセフ・アウン大統領にヒズボラの武装解除を強く要求した。「実現できなければレバノン政府は重い代償を払うことになる」とまで恫喝して。
ヒズボラが武装解除に応じるわけがない。
これまで武力においてはヒズボラの方がレバノン政府軍よりも勝っていた。
ところが前回(2024年)の「対イスラエル戦争」でヒズボラは弱体化した。イスラエルはヒズボラ幹部を次々と暗殺していったのである。その数は1千人を超えるとも言われる。
テルアビブにミサイルを撃ち込むヒズボラは、イランの手先でもある。イスラエルにとって壊滅させたくてたまらない存在だ。

イスラエルはヒズボラ関係者の住宅まで爆撃で破壊した。手前の黄色い旗はヒズボラの旗。=2024年、ベイルート 撮影:田中龍作=
天敵のヒズボラを壊滅するには陸上部隊を送り込まねばならない。陸上侵攻すればイスラエルの部隊に相当数の犠牲者が出る。
中東一精強なイスラエル軍がただ一度の敗北を喫した2006年の対ヒズボラ戦争の二の舞だけは避けたい。
そこで狡猾なイスラエルが考え出したのが、レバノン政府軍とヒズボラを戦わせることだ。戦費もかからずに済む。何より自軍に犠牲者を出さずに済む。いかにもイスラエルらしい“合理性”だ。
対立構図は違うが、レバノン内戦(1975年~90年)の悪夢が現実味を帯びてきた。
~終わり~
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《読者の皆様》
イスラエル軍はイランと共に叩き潰したいレバノンに猛爆撃を掛けています。陸上部隊が内部深くに侵攻してくれば大虐殺も起こります。
田中は最後まで見届けるつもりですが、宿泊費を払えなくなれば、ホテルを叩き出されます。
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