ネギと団扇が巨悪を救った 小渕・松島辞任劇

「私自身が分からないことが多すぎる」と話す小渕氏。資料を見せながらの説明も たどたどし かった。=20日午前9時50分頃、経産省 写真:筆者=

「私自身が分からないことが多すぎる」と話す小渕氏。資料を見せながらの説明も たどたどし かった。=20日午前9時50分頃、経産省 写真:筆者=

 ネギと団扇が政界を揺さぶった。きょう、小渕優子経産相と松島みどり法相が立て続けに辞任した。

 小渕経産相は、自らの政治資金で地元特産の下仁田ネギを贈答品として購入した。政治資金規正法違反とされる。(疑惑の本丸は明治座での観劇だが)

 松島法相は選挙区の盆踊りに団扇を配布していた。公職選挙法で禁じる物品供与にあたるとされている。

 小渕氏の場合、不透明なカネの流れは一切合財含めても5千万円に届かない。松島氏の団扇の製作費は174万円(民主党調べ)だ。

 2人を庇うわけではないが、大騒ぎするほどの性質と金額だろうか?

 温泉旅行は後援会メンテの定番だし、盆踊りでは地元政治家の名前でビールが何ダースも届く。

 中選挙区制(~1993年)の頃、政界を飛び交うカネの金額は億単位だった。現在の貨幣価値にすると数十億円だ。

 派閥のボスはカネで子分(国会議員)を養い、自派の政策を優位に展開するために他派閥にカネを撒いていた。 

 それでも当時の政界はバランスがとれていた。最大野党の社会党は衆院で100議席前後を維持していた。

 自民党は単独で政権を維持できるほど強かったが、党内では民主主義が機能していた。多様な意見があった。

 三木武夫首相(当時)に代表される自民党ハト派は社会党よりも護憲色が濃かった。党是としては憲法改正を掲げながら、憲法違反だとして武器輸出を禁止していたりした。

職員に見送られて経産省を後にする小渕氏。意外とサバサバした表情だった。=午前11時04分頃、経産省 写真:筆者= 

職員に見送られて経産省を後にする小渕氏。意外とサバサバした表情だった。=午前11時04分頃、経産省 写真:筆者= 

 中選挙区制の時代から見れば、現在の政界はカネにはクリーンだ。ところが野党はあってなきに等しく、自民党内では多様な意見は抑え込まれる。

 総裁の意向には逆らえない。顔色をいち早く察知する議員が出世する。辞任に追い込まれた松島氏、小渕氏とも靖国神社には参拝していない。小渕氏は父親の代から中国との関係を大事にしてきたこともある。

 安倍内閣には両氏よりも大きなスキャンダルを抱える閣僚がいる。海外メディアからの猛烈な批判を浴び炎上している閣僚もいれば、着火寸前もいる。

 両氏の辞任劇は安倍内閣の命とりになりかねないスキャンダルを隠すための 目くらまし に使われた可能性もある。火を点けた週刊新潮は、権力に近い右寄りのメディアだ。

 きょう午前、経産省で開かれた辞任の記者会見で、筆者は小渕氏に「目くらまし として刺されたという無念さはないか?」と質した。

 小渕氏はしばらく絶句、ハトが豆鉄砲をくらったような顔になった。「ご指摘を受けてそういうことを思われているのかと初めて知った」と答えた。けがれを知らないお嬢様大臣の悲劇だ。
 
 NHKによれば、安倍首相は小渕氏の後任として高市早苗総務相を臨時経産相として兼務させることを決めた。山谷えり子氏は引き続き国家公安委員長の座に納まっている。

政治

針金の格納容器 原発を追及し続ける「おしどり」が個展

香港のデモは米国の陰謀なのか?

讀賣『やはり軽減税率が不可欠だ』 自分だけ助かろうとする新聞業界

在特界隈、政治の空気読み 脱原発テント襲撃

 アベノミクスの現状映す 「反貧困全国集会」

【会計報告】7~9月期(ガザ取材含む)

「秘密保護法施行しないで」 市民団体が自民党に要請

もう始まった政府の情報隠し いつでもどこにでも行く自衛隊

竹中会長のパソナ前で「派遣法改悪反対」

【香港発】 学生支える市民 「自由はタダじゃない」