【ガザ点描】 ロバも殺されて 貧しき避難民の足奪う爆撃

ジャバーリヤのUNRWA避難所前では、数頭のロバが爆撃により殺されていた。=7月30日、写真:筆者=

ジャバーリヤのUNRWA避難所前では、数頭のロバが爆撃により殺されていた。=7月30日、写真:筆者=

 ロバたちがイスラエル軍の爆撃で殺されていた。爆撃の余波を受けたのではない――

 UNRWA(国連パレスチナ救済機関)の避難所前は、「ロバ荷車」の停車場になっている。ガザ全体で44ヵ所(7月20日現在)あるUNRWA避難所のほとんどすべてで、だ。

 自動車を持たない貧しい人々が、「ロバ荷車」に乗って避難してくるのである。避難所をイスラエル軍が攻撃する。必然的にロバも殺(や)られる。

 ガザの庶民にとってロバは欠くことのできない交通手段だ。街から街の移動だけではない。農作物を運搬する。配給の小麦を運ぶ。飲料水を持ち帰る……ロバなしに生活は成立しないのだ。

 避難所ばかりではない。筆者はガザの至る所でロバの死体を見た。目を開いたままのロバにハエがワンワンたかっていた。

 決して豊かでない人々にとって、ロバが殺されるのは、足を奪われるに等しい。

 停戦で農作業が再開できるようになっても、どうやって農作物を市場に運ぶのか。支援の食料が届いても、どうやって自宅まで運ぶのか。

イスラエル軍の空爆が迫り、「ロバ荷車」で脱出する家族。=7月15日、ベイトラフィーヤ 写真:筆者=

イスラエル軍の空爆が迫り、「ロバ荷車」で脱出する家族。=7月15日、ベイトラフィーヤ 写真:筆者=

 ◇
紙幅の都合により『ガザ発』の記事にはできなかったものの、伝えなくてはならない事が あまた あります。これから『ガザ点描』で少しずつ掲載して行きます。

パレスチナ(ガザ・西岸)

【ガザ報告】 外国人記者がイスラエル軍に殺されない理由

終わりなきガザ戦争 束の間の平和も危うく

【ガザ発】 ~下~ ハマス政治部門・高官インタビュー

【ガザ発】 イスラエル軍に連行されたまま帰らぬ村人

【ガザ発】 上下水道がある 飲料水は地下水濾過

【ガザ発】 金曜礼拝 モスクを粉々に破壊されようとも

【ガザ発】 戦場を知り尽くしたカメラマンの死

【ガザ発】 ~中~ ハマス政治部門・高官インタビュー

【ガザ発】 不発弾、爆発 警察官とジャーナリスト7人死亡

【ガザ発】 止められない戦争 尽きることのない米製弾薬