古賀茂明氏、単独インタビュー ~官邸編~

報ステで紹介したガンジーの言葉。「言い続ける」古賀氏のスピリットがここにある。=29日、三重県松阪市 写真:筆者=

報ステで紹介したガンジーの言葉。「言い続ける」古賀氏のスピリットがここにある。=29日、三重県松阪市 写真:筆者=

 安倍政権によるメディアコントロールは、かつてないほど巧妙で強権的だ。前回のテレビ朝日編に続き、真実を語れば圧殺されてゆく状況を古賀氏が明かす。

田中:官邸からはいつ頃、どんな圧力がかかりましたか?

古賀:証拠があるのは、菅官房長官が側近に報道ステーションの話をするとか、そういうのは去年の秋くらいからあった。

選挙の前には篠塚報道局長が、現場に「選挙があるのに古賀なんか出していいのかな?」と言ったりしたそうです。「何でですか?」と現場が聞くと「いや、ダメだとは言ってない」。

そういうのを聞いたから、僕が篠塚局長に尋ねると「そんなことは言ってない」。「だけど、一般論として選挙の前だから気をつけなくちゃいけない」。

(1月23日の報道ステーションで)I am not ABEと言った時は、官房長官の秘書官が、テレ朝の報道局幹部にメールをしたと聞いています。

その後、「反翼賛の声明」というのを出した時、あれについて、官房長官会見の時に質問した記者がいるそうです。表現の自由が抑圧されてるとか。

菅官房長官は、僕の名前は言わないんだけど、「最近TVでとんでもないことを言った人がいる。報道の自由をはき違えている。そういうコメントができるのも、まさに表現の自由があるからですよね」って言ったそうです。

その後、ぶら下がりのオフレコ会見でやりとりをした。オフレコだからメモをしちゃいけないんだけど、複数社いるからメモが僕の所に来るんです。

菅官房長官がそこで何て言ったかというと「俺は本当に頭に来た。俺だったら放送法違反って言ってやったのにな」というようなことを言ったそうです。

官房長官の秘書官も文句言ってるんだけど「放送法違反だ」までは言ってないんです。政府の要人が「放送法違反だ」と言ったら免許取り消しの脅しになる。

秘書官はバカじゃないから言わないわけです。官房長官の秘書官はテレ朝の中にいるお友達に「ひどい話だね」と。だけど菅さんはそういうメモが回ることを計算して(わざと)言ったわけです。

ということは「俺は許していないからな」という脅しなんです。テレ朝への脅しにもなるし、僕への脅しでもあって。そこで黙っちゃうんですよ、普通の人は。

選挙の時に放送局に自民党から手紙(圧力文書)が来たじゃないですか。みんなテレビ局はひた隠しに隠していた。普通にニュースとしてやればいいじゃないですか。

それを上杉隆さんとかが公開(暴露)して、それでもテレビ局はやらない。官邸から見ればヨシヨシと。こいつら(テレビ局は)俺のいう事を聞くんだと。

「I am not ABE」。古賀氏の姿勢を支持する人々の合言葉ともなっている。=29日、フォーラム4の公開対談会場(松阪市) 写真:筆者=

「I am not ABE」。古賀氏の姿勢を支持する人々の合言葉ともなっている。=29日、フォーラム4の公開対談会場(松阪市) 写真:筆者=

大人しい発言をしていたんじゃ、向こうの言いなり。その逆を行かなければいけないなと、だから菅さん(官房長官)のことも言ったし、I am not Abeともう一回言った。

1月23日は口で言っただけだが、今度は絶対止めないからねという意味であれ(紙)を出したんです。だからあそこまでやったんです。

みんな勘違いしてるけど、僕が安倍さんをキライで、首になるから腹いせにやったんだということではなくて。

最後に言いたかったのが、ガンジー。ひとつは常に自分に言い聞かせてることなんだけど、自分に圧力がかかったから、ちょっと大人しくしようと、仕事がなくなるからと。そうやってみんな変わっていってしまうんです。

その時に圧力を受けて、押さえているとそのうちに恥ずかしいと思わなくなっちゃう。

施政方針演説で「列強をめざす」といわんばかりのことを言ったり、最近では「わが軍」発言。これらは昔なら国会は止まるし、マスコミは大騒ぎになる。ところが今ではニュースにならない。

最初は圧力で負けているんだと思っていた。じゃ、社内でそんなことやるな、と自粛の通達が出ているのかと思うとそんなこともないんですよ。

要するに、問題だと感じなくなっちゃった。それがこれ(ガンジーの言葉)なんですよ。これ。なんであそこまでやるんだろうと言われるんだけど、それをやってなかったら自分が変わっちゃうんですよ。できなくなっちゃう。

(先の戦争の時は)特高がいて、治安維持法があって、がんじがらめになっていた。仕組みができてた。ところが今そんなものないんですよ。なんとなくの雰囲気でね、安倍さんに逆らうと仕事がなくなるとか、損するという雰囲気ができている。

で、やっているうちに皆がマヒしちゃう、ということが起きている。まずはこの言葉のとおり「自分が変わらないため」にも言い続けなきゃいけない。

そういう人が一人でも増えていけば変わるかもしれないけど、どんどん減っているなかで、もう少し大人しくしていれば影響力があるチャンスをもらえる。

でも影響力があっても、言えなくなっちゃうんですよ。自分が変わっちゃう。だからクビって決まってましたけどね、私はそうやって言い続けたということです。  

 ~終わり~
 
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カッコ(  )の中は田中が挿入した言葉です。

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ジャーナリズム

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