
手荒な手法で逮捕されるデモ隊の少年。=2019年、香港 撮影:田中龍作=
5項目の民主化を要求(五大訴求)して香港の若者は立ち上がった。逮捕拘束されようとも怯まなかった。2019年のことだ。デモは半年以上続いた。
警察の弾圧は苛烈を極めた。遺書を書いてデモに参加する学生も少なくなかった。
デモを終えた学生を自宅まで送るボランティアの車は「スクールバス」と呼ばれた。
同乗した田中は後部座席に乗っていた女子学生に「5項目の民主化要求のうち何を一番望んでいるか?」と質問した。
女子学生は間髪を入れず「普通選挙制度」と答えた。目はキラキラと輝いていた。
日本では空気のようにある普通選挙を獲得するために逮捕も恐れずにデモの渦に飛び込んでいるのだ。
日本の有権者は何ともったいないことをしているのだろうか。田中は腹立たしくさえあった。

韓国全土から集結した非正規労働者たちが道路を埋め尽くした。=2016年、ソウル市内 写真奥は大統領府(青瓦台) 撮影:田中龍作=
友人のビジネスウーマンに便宜を図った。財界からワイロをもらっていた・・・などとする汚職疑惑が持ちあがり、韓国市民は朴槿恵大統領追及の大規模デモを繰り広げた。2016年のことだ。
日曜日ともなれば150万人が大統領府に続く大通りを埋めた。地元メディアが地下鉄出口でチェックした数字だ。誇張ではない。
韓国検察も動き、朴大統領は収賄の罪などで逮捕起訴された。
どこかの国のように政権党が集団で脱税していても検察が「3千万円未満だったら構わないよ」なんて言って見逃してはくれないのだ。
親権力もあるが、反権力のマスコミが健在で権力の不正を叩く。どこかの国と違うのだ。
自民党幹部が統一教会と癒着し、行政が歪められた結果、高額献金が野放しにされた。なのに日本の新聞テレビは追及しない。
検察とメディアが不正に甘いと政治は腐敗する。富は偏在し経済が回らなくなる。その結果が、今の体たらくだ。

「青瓦台(韓国大統領府)に出入りする記者達は大統領に質問せよ!」。質問とは追及のことである。日本の首相官邸では考えられないことだ。=2016年、ソウル・プレスセンタービル 撮影:筆者=
その真逆が韓国である。韓国は政権交代があるから腐敗を追及できる。
韓国は一人当たりのGDPも日本を抜いた。当然だ。
選挙で高市政権を信任すれば、日本の貧困はさらに悪化するだろう。円が紙屑になることも視野に入れなければならない。
~終わり~
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学生が逮捕されることも辞さずに普通選挙の実施を求める香港。市民が政治の不正を許さない韓国。日本とは天と地ほどの差です。
田中は選挙とメディアの重要性を世界の最前線で見てきました。交通費が圧倒的に不足しています。

















