
爆撃で破壊されたヒズボラの銀行。遺影は一昨年、イスラエルに暗殺されたナスラッラー師。=13日、ベイルート・ダヒア 撮影:田中龍作=
イスラエル軍の避難命令が出ているベイルート市南部に入った。ヒズボラの最重要拠点ダヒアである。
人の匂いがしない。ゴーストタウンだ。東地中海の柔らかい光が廃墟の街を照らし出していた。
電線が垂れさがり、瓦礫の山は白煙で燻(くすぶ)る。
イスラエル軍と向き合うガザ北部の最前線ベイトハヌーンと同じ光景、同じ臭いだった。
ガザは東京23区の半分の面積だが、ダヒアはさらに狭い。ガザの4分の1くらいだろうか。

ヒズボラのセキュリティー要員がバイクでひっきりなしにエリアを巡回する。=13日、ベイルート・ダヒア 撮影:田中龍作=
ゴーストタウンと化したダヒアにも人はいる。ヒズボラのセキュリティー要員だ。彼らはバイクに乗って 隈なく、ひっきりなしに ダヒア内を警らする。イスラエルのスパイが入って来ていないかをチェックするためだ。
イスラエル軍はドローンが撮影した上からの映像をふんだんに持つ。だが下からの映像は稀にしかない。
ヒズボラ側にとっては被害状況をこれ以上知られたくない。
さりげないビルの地下が武器弾薬であったり、現金やゴールドの貯蔵庫だったりするからだ。

ビルが一棟丸ごと消えていた(手前)。爆撃の威力を物語る。=13日、ベイルート・ダヒア 撮影:田中龍作=
田中の撮影はすべて車の中からとなった。しかもカメラを構えられるのは3~4秒。撮影したらすぐにカメラを降ろして足元に置かねばならない。
田中は数日前にもダヒアに隣接するエリアで、ヒズボラと見られる青年たちに取り囲まれ、「モバイル(スマホ)を見せろ」と迫られた。青年たちは殺気だっていた。
11日付け拙稿でリポートしたようにダヒアの地下にはトンネルがあり、いざとなればヒズボラ戦闘員はここから出撃する。
イスラエル軍が陸上侵攻してくれば、ガザの地獄絵巻が再現される。
~終わり~
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