
南米最大級のスラム街「ペタレ」。19世紀中頃から人が住み始め1950年代からスラム化した。=21日、カラカス郊外 撮影:田中龍作=
南米最大級のスラム「ペタレ」はカラカス郊外の山裾に広がる。推定人口は70~80万人。谷という谷は、レンガを無造作に積み重ねたスラム特有の住宅で埋め尽くされている。
ゴミ捨て場には死臭を嗅ぎつけたコンドルが群がり、衣類や食料を漁る男の姿があった。
山の頂上にはコレクティーボ(私服の武装民兵)の基地がある。ガタイのいい中年のオッサンが拳銃を手にうろついていた。警らなのだろう。

スラム街のコンビニ店は鉄柵を通して品物を売買する。強盗に遭わないようにするためだ。=21日、ペタレ 撮影:田中龍作=
すべてではないが、スラムはコレクティーボの巣窟である。ここペタレでは4千~5千人が私服の武装民兵と見られている。コレクティーボである。
私服であるため、どこから見張られているのか分からない。見咎められれば、即、拘束、収容所行きである。市民を震えあがらせる存在だ。
コロンビアに逃れてきていた元軍人の言葉がすべてを物語っていた。「コレクティーボは警察より怖い。気をつけろよ」。

群れをなしてゴミを漁るコンドル。カラスと違って不気味だ。=21日、ペタレ 撮影:田中龍作=
コレクティーボはカラカス市内だけで10万人はいると見られている。ほとんどがスラムに住む。
コレクティーボには政権から月額500ドルが支給されているとの説がある。国民の76.6%が貧困ライン以下で暮らす(World Vision調べ)国にあって、超特権階級である。
コレクティーボはチャベス、マドゥロという独裁者の力の源泉だった。トランプといえどもベネズエラの貧困には手をつけられない。スラムがある限り恐怖支配は続く。

男性は衣類と食料を漁っていた。スラムに限らずカラカスでは当たり前の光景である。=21日、ペタレ 撮影:田中龍作=
~終わり~
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【読者の皆様】
田中はトランプに軍事侵攻されそうになった南米コロンビアで取材を続けてきました。最近揺らぎつつあるとはいえコロンビアは、コテコテの親米国家だったのです。
米国に追従してきた日本も、この先どのように扱われるか見通せません。世界の動きを現場でいち早く捉える必要があります。
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