
「領土は譲らない」とする姿勢を貫くゼレンスキー大統領。=2022年、キーウ地下鉄構内 撮影:田中龍作=
田中は2021年末から9カ月かけてウクライナ全土を歩き、人々の話を聞いた。
100人中100人までもが「ロシア軍は一歩たりとも入れない」と答えた。
ロシアの全面侵攻から4年が経ち、ウクライナ国民は戦争に疲れ果てている。
世論調査で「戦争は終結させた方がいい」と答える人は一定割合いるようだ。
だがテレビ局の記者は昨日、現地から「領土割譲してもよい、と答えた人はゼロだった」とリポートした。日本のマスコミは信用していないが、田中の2022年の取材結果と同じだった。

デモ隊は大統領府まで押し寄せ「ゼレンスキーのチンポコ野郎」と浴びせた。=2022年、キーウ大統領府前 撮影:田中龍作=
ウクライナの人々が口を揃えて言うのは「ロシアは嘘をつく」だ。
領土を割譲して停戦したとしても、ロシアはそこを拠点にまた攻めてくる。
今、電気もなくて寒くて苦しいが、ロシアがさらに内側に侵攻してくればもっと苦しくなる。
かつてウクライナは世界有数の核保有国だった。ロシアは「核を手放せば安全は保証しますよ」と唆した。ブダペスト合意(1994年)である。
ウクライナは見事に騙された。安全なんて保証されていないことは子供が見ても分かる。

農婦は「ロシア軍は一歩たりとも入れない。血の一滴まで戦う」。=2022年、キーウ郊外 撮影:田中龍作=
ゼレンスキーが大統領を続けたとしても、あるいは新しい大統領が就任したとしても、領土を割譲しようものなら、ウクライナ国民に引きずり降ろされるだろう。
ウクライナの人々は大統領府までデモを掛ける。日本の総理官邸だと大通りを挟んだ手前までしか行けないが、ウクライナの場合、デモ隊は大統領府の建物と道路の境界線まで迫るのだ。
プーチン大統領は国民向けメッセージで戦争継続の意思を明らかにしている。独裁体制を揺るがせないためにも勝つまで戦わなければならないからだ。この戦争は終わりっこないのである。
ウクライナがロシアに唆されたように、米国に唆された日本政府は、ウクライナに多額の資金援助を続けてきた。殺傷力のある武器援助に乗り出そうとさえしている。
武器援助は議論の余地があるようだが、問答無用ではっきりしているのは―
庶民が食べて行けなくなっているのを尻目に、高市政権は我々の血税を「終わりのない戦争」に注ぎ込む・・・ということだ。
~終わり~
◇
「きょうのウクライナは明日の日本」。自民党政権が軍備拡張の口実に使うフレーズです。
とはいえ安心しきるのも禁物です。戦争は独裁者の胸三寸で発動されるからです。
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