行政の腐敗を煮詰めた魔界 千代田区が抱える裁判とは

並木の伐採現場で市民を撮影する千代田区職員。公安警察を地で行く。=4月、神田警察通り 撮影:田中龍作=

 千代田区は事件のデパートである。昨日(13日)から明日(15日)まで同区をめぐる裁判が立て続けに行われる。刑事事件と民事事件2件の計3件だ。田中はいずれも傍聴取材中である。

①【刑事事件】

 区議会のドンと区の職員が逮捕された官製談合事件。区立小学校の改築工事が舞台だった。

 入札価格を知る立場にあった職員が変死を遂げたが、組織ぐるみで隠ぺい工作を図った。

②【民事事件A】

 イチョウ並木の伐採を伴う道路拡幅工事。担当課長の虚偽説明に基づいて議会の議決を経た結果の工事契約だった。

 契約額は4億5千万円。千代田区は着手金1億円をすでに工事業者に支払っている。住民は着手金の返還と残金(3億5千万円)の支払い停止を求めている。

 虚偽説明には呆れる。反対派の意見は聞かず「住民の合意に基づく」とした。議会の議決前に住民への説明は一度もなかった。

 「イチョウ並木があると道路工事ができない」の説明もまったくのウソ。1期工事区間(現在は2期工事)はイチョウ並木を残したまま歩道の拡幅工事を終えているのだ。

警察権力に頼ることもある千代田区。無理に無理を重ねた結果だ。=4月、神田警察通り 撮影:田中龍作=

③【民事事件B】

  千代田区が日比谷にある区所有の土地・建物(255億円相当)を、一般社団法人「日比谷エリアマネジメント(通称エリマネ)」に無償(タダ)で貸し出していた。エリマネは三井不動産などが設立した。

 エリマネ社は千代田区の土地・建物を転貸しし、テナント料などの収益を得る。年間4800~6200万円に上る。本来ならば千代田区が得ているはずの巨額資産だが、千代田区には還元されない。

 こんなスキームがまかり通ったら日本中の公有地、それも一等地が三井不動産に差し出されてしまう。

小池知事の学歴詐称で重要な役割を果たしたとされる樋口区長。小池氏が失脚すれば権力の座も揺らぐ。=4月、千代田区立錦華公園 撮影:田中龍作=

 公務員が議会でウソを撒き散らし、トップは公有地を、議会も住民も知らない所で有力企業にタダで差し出す・・・

 行政の腐敗を煮詰めたような魔界。それが千代田区である。ちなみに樋口区長は父親が元警視総監(警視庁トップ)で、ボスが小池都知事だ。

~終わり~

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