米海兵隊のオスプレイがきょう、普天間基地に追加配備された。ちょうど1週間前、米軍ヘリが沖縄宜野座村の山中に墜落、炎上したばかりで、沖縄県民の「反対」の声と不安は高まっていた。米軍は事故を受けて追加配備を数日延期したものの、反対の声をものともせず強行配備した。
午前6時過ぎ、筆者が野嵩ゲート前に到着すると反対派住民と警察隊との揉み合いがすでに始まっていた。「オスプレイは来るな」、参加者たちは口々に叫んだ。「ヤンキーゴーホーム」、住宅の屋上からも怒声が飛ぶ。
住民たちは米軍専用のYナンバーをつけた車を一台一台止めて「オスプレイノー」のプラカードを突き付けた。その都度、警察隊は住民を はがいじめ にして引き離す。ボンネットの上に飛び乗り抗議する男性もいて、ゲート前は緊迫した。
午前8時頃、オスプレイ8機が岩国基地を飛び立ったとの情報が告げられると、現場はさらに緊迫した。
反対派住民たちはゲート前の国道に座り込んだ。すぐに警察隊がゴボウ抜きにした。住民たちはそれでもまた座り込んだ。警察はすぐにゴボウ抜きにかかる。これが5~6度繰り返された。
午前10時頃、オスプレイ8機の普天間基地到着が告げられると、住民たちの間にはやり場のない怒りが充満した。
「つらい。可能な限りの行政手続きはすべて踏んだ。立ちはだかるしかなかったことを県民は分かってほしい…」。体を張って米兵の車を止めようとした国頭村の海人(漁師)は肩を落とす。
町の半分以上を米軍基地が占める北谷町から足を運んだ男性は、唸るように声をあげた―
「うちぃなぁや うちなぁんちゅが まむいる たーがまむいが
アミリカーが まむいみ やまとんちゅが まむいみ
なままり まむてぃちぁしえ
わったーうちなぁんちゅるやる」
~訳~
「沖縄は沖縄の人間が守っている。
誰が守ってきたか?
アメリカが守ってきたか?
日本人が守ってきたか?
今まで守ってきたのは
私たち沖縄人です」
基地も原発も米国の意向を受けた日本政府が地元に押しつける。「お上が決めてしまったらねえ…」。那覇行きの飛行機で隣り合わせた沖縄の女性が言った言葉がまざまざと蘇った。