沖縄戦の遺骨が混じる激戦地の土砂を防衛省が辺野古基地の埋め立てに使うことに反対し、沖縄県庁前で6日間のハンストを続けた具志堅隆松さんに続く人物が現れた。
Miky King(mikayo kin)さん。8日、ハンストに突入した。生後2ヵ月から21歳までを宜野湾で過ごした。家は普天間基地のすぐ傍にあり、戦闘機が離着陸すると障子がミシミシと音を立てて揺れた。
Mikyさんがハンストの場所に選んだのは首相官邸前だ。辺野古埋め立ての張本人の面前である。
Mikyさんの父母は沖縄戦の苛酷な経験によりPTSDを発症。母親は米軍機の爆音を聞くと眠れなくなるため、睡眠導入剤を手放せなかった。
流れ弾に当たった経験を持つ父親は、アルコール依存症となり、妻や幼いMikyさんに暴力を振るった。
沖縄戦を実際に知る人が身近にいた。小学校の恩師はひめゆり部隊の生き残りだった。悲惨な話をよく聞かされた。
ガマに逃げ込んだ負傷兵は「水をくれ」と言って呻き、包帯にはウジ虫がはった。最後には手榴弾で自決する。周囲の人を巻き込んで。
「戦争はやってはいけない」「戦争さえなければ」。Mikyさんは子どもの頃から頭に刷り込まれてきた。
「できることなら自宅でまったりしていたい。だけど今の状況はそれができない」
「官邸が止めると言えば、辺野古の埋め立ては止まる」。
Mikyさんは厳しい眼差しを官邸に向けた。
~終わり~
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