国会で取り上げられた官邸前ハンスト「遺骨の混じった土砂を辺野古の埋め立てに使うな」

金武さんは差し入れの水を美味しそうに飲んだ。=23日、官邸前 撮影:田中龍作=

 「沖縄戦の遺骨が混じる土砂を辺野古新基地の埋め立てに使うな」。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表の後を受けたウチナーンチュが、官邸前でハンストを始めて、きょう23日で、16日目に入った。

 生後2ヵ月から21歳までを普天間基地のすぐ傍で過ごしたMikyこと金武美加代さんの絶食ストは、きょうの参院沖縄北方委員会で取り上げられた。共産党の紙智子議員が質問したのである。

 県知事の不許可さえも押し切って、辺野古の違法埋め立てを続ける張本人は官邸である。そのノド元でのハンストは野党議員を動かした。

 「(官邸の主は)自分の私腹を肥やすことしか考えていない。私が(ハンストで)死んでも屁とも思わないだろう」。金武さんは最高権力者の館をニラミつけながら言った。

『沖縄戦没者の遺骨で基地を造るな』。スローガンが寝袋の上に掛かっていた。=23日、官邸前 撮影:田中龍作=  

 彼女のハンストが琉球新報Web版で報じられた翌日(18日)、神奈川県内から2組の夫婦が、官邸前の現場を訪ねて来た。

 日本兵だった彼らの祖父は沖縄戦で戦死した。それも激戦地の南部だった。遺骨が見つからないので南部の石を祖父のお墓に埋めている、という。

 辺野古の埋め立てに使われているのは、まさに南部の土砂なのである。ウチナーンチュだけでなくヤマトンチュの問題でもあることが分かる。

 金武さんは話を続ける。「次世代に残したいのは人を殺す基地ではなくきれいな海。ウチナーンチュは命の尊さを伝える使命がある」と。

 ハンストは今月31日まで続け、その後は同じ場所で4月21日まで座り込みを続ける。この日は、議員会館で辺野古土砂搬出反対・全国連絡協議会の対政府交渉があり、具志堅さんも沖縄から駆け付ける。

 ふっくらしていた金武さんだったが、2週間を超えるハンストですっかり痩せた。アゴは三角に尖り、ズボンがズリ落ちる。

 前走者の具志堅さんからは電話で「頑張らなくていいよ」と言われた。

   ~終わり~
  
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