
ウクライナ軍の上陸用舟艇。ロシア軍がマリウポリまで侵攻してくる前の光景だ。=2022年1月、マリウポリ 撮影:田中龍作=
NHKスペシャル『戦慄の占領地』で描かれていることは大方事実だ。
田中は2014年と2022年のマリウポリ陥落直前に現地に入っており、陥落後は脱出してきた青年に話を聞いた。話はNHKスペシャルとほぼ符合する。
ロシア軍がウクライナ人ジャーナリストの眼球と脳をくり抜いた、という証言が出てくる。
ロシア軍が占領した地域では、これ位のことは当たり前のようにある。拷問で男性器を切断した例もあった。

ナスタシィ-ヤ婆ちゃん。「ロシア軍が来ても逃げない」、平然としていた。=2022年1月、マリウポリ郊外レベディンスク村 撮影:田中龍作=
2014年3月、クリミア半島に電撃侵攻したロシア軍はシームレスでドンバス地方に攻め込んだ。
ロシアはドンバスの中でも戦略要衝のマリウポリを何としてでも落としたかった。すでに手中に収めた州都ドネツクからマリウポリに向けて攻勢をかけていた。
ウクライナ軍は懸命に防いでいた(写真下段参照)。田中は親露派民兵を取材車に乗せたこともある。「誰も戦争なんてしたくないんだ」と呻くように言った民兵の言葉が今でも記憶に残っている。

=2014年11月、マリウポリから東へ15キロの地点 ロシア側の侵攻を防ぐウクライナ軍の戦車。 撮影:田中龍作=
マリウポリが陥落するのは2022年3~4月だから、ロシア軍は8年間も攻めあぐねていたことになる。
だからこそロシア軍の攻撃は猖獗を極めたのである。占領政策が常軌を逸するほど過酷になるのも当然の帰結と言えよう。
~終わり~
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【読者の皆様】
田中はプーチンのウクライナ侵攻を2014年から現地で取材していました。NHKスペシャルで報道されたマリウポリにも2014年と2022年の陥落直前に足を運んでおります。
イデオロギーや陰謀論に左右されないためにも現地取材は欠かせません。紛争地取材は多大な経費を必要とします。田中一人では賄いきれません。





