オリバー・ストーン監督 普天間の騒音に驚く

オリバー・ストーン監督は米軍ヘリが上空を飛ぶと、メガネをはずして空を見上げた。=13日午後5時頃、普天間基地野嵩ゲート前 写真:山田旬=

オリバー・ストーン監督は米軍ヘリが上空を飛ぶと、メガネをはずして空を見上げた。=13日午後5時頃、普天間基地野嵩ゲート前 写真:山田旬=

 「プラトーン」「7月4日に生まれて」など戦争の不条理を描いた作品で知られるオリバー・ストーン監督がきょう、沖縄を訪れ、普天間基地を外側から視察した。

 午後5時頃、基地反対運動の拠点ともなっている野嵩ゲート前に到着したストーン監督は、基地の内側まで見渡せる建物の屋上に上がった。

 目のつけどころが映画監督らしく細部にわたった。案内人にいきなり「Yナンバーとは?」と尋ねるのである。

 「Yナンバーとは米兵や米軍属が使用する車両につけるナンバーです」。案内人は通訳を通して説明した。

 「ここは(米軍基地に対する)プロテストをする」と案内人が話すと、監督は「何時から何時までか?」「どれ位の人数か?」と続けざまに質問した。

 視察中、上空をCH64ヘリが飛んだ。「ノイズ…」、サングラスを外して空を見上げながら、騒音の大きさに驚いたようすだった。

基地を見つめる目はどこか悲しそうだった。軍事占領は監督の目にどのように映ったのだろうか。=写真:山田旬=

基地を見つめる目はどこか悲しそうだった。軍事占領は監督の目にどのように映ったのだろうか。=写真:山田旬=

 監督は基地視察に続いて「基地反対」の住民集会に出席するはずだったが、とりやめた。案内者によれば監督は「自分ばかりが目立ってしまい、運動を続けている肝心の人達のメッセージが伝わりにくくなる」と随分と気にしている、とのことだった。

 筆者はメディアの多さにあきれた。昨日、同じ場所で「オスプレイ追加配備阻止」行動が繰り広げられたが、記者とカメラマンは数えるほどしかいなかった。世界的に有名な映画監督が訪れたきょうは、カメラマンと記者が鈴なりだ。

 沖縄の基地問題を描く映画を撮り、世界に問うてほしい。そう願いながらオリバー・ストーン監督の乗った車を見送った。

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