野党合同ヒアリング見直しで、どうなる石原氏の雇調金不正受給問題

石原伸晃氏。コロナで陽性となった際、症状がなくてもすぐに入院できた。特権である。夥しい数のコロナ患者は医療につながることもできず、自宅でもがき苦しみながら死んで行ったのである。=10月21日、阿佐ヶ谷駅前 撮影:田中龍作=

 コロナの影響で収入が減った労働者の休業手当に充てられる雇用調整助成金を、与党大物政治家の事務所が受給していた。事務所の収入は前年より増えていたにもかかわらず。

 石原伸晃内閣参与。助成金受給当時は現職の国会議員で石原グループのリーダーである。

 一方で制度の狭間に落ちた(企業が恣意的に落とした)シフト制の非正規労働者などは、受給の対象とならなかった。厚労省との交渉に臨んだ彼らは、涙で声を詰まらせながら「生活してゆけない」と訴えた。今年1月末のことである。

 野村総研の調べによると、女性だけでも90万人が休業手当を受け取っていなかった。

 不正ともとれる石原氏の雇用調整金受給問題について、立憲の小川淳也政調会長は、きょう9日の定例記者会見で次のように述べた―

 「与党内で相当に影響力のある方が雇用調整助成金を自分の事務所で活用したことに驚いている。とても適切とは思えない。与党の実力者(受給時は議員)が制度を悪用しているのではないか」。

野党合同ヒアリング。官邸の関与をはじめとする問題の構造が暴き出されていた。=4月、衆院第4控室 撮影:田中龍作=

 権力犯罪ともいえる問題が起きるとすぐに立ち上がっていたのが野党合同ヒアリングだった。

 だが、新体制となって見直しが進む。小川政調会長は、馬淵国対委員長、西村幹事長との3者で大筋合意している流れとして―

 「(政権に)問題が生じた場合、政調の担当部長を中心に担当者が速やかに(官僚などから)ヒアリングする。(これまでのように)マスコミフルオープンにできるかは事によりけり」。

 野党合同ヒアリングは立憲の国対が中心だったが、立憲の政調単独に移ったことになる。

 立憲の馬淵国対委員長は昨日8日、共産、国民、社民の国対委員長と毎週水曜日に行ってきた会談を取り止める方針を明らかにした。

 共産党(赤旗)の調査能力がなくなれば、核心をえぐる追及は難しくなる。

 与党は国会を開かない。開いてもまともに答えない。新聞テレビは真相に触れない。

 暗黒の政治状況にあって野党合同ヒアリングは、国民にとって光の差し込む窓だったのだが。

     ~終わり~

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