古き良き街並みと環境を破壊するだけの再開発が猛威をふるい続ける日本。庶民の暮らしにマイナスにこそなれプラスにはならないと分かっていても、再開発を止めるのは困難を伴う。
土建業界と行政が最強(凶)のタッグを組んでいるからだ。悪しき日本政治に30年余りにわたって敢然と立ち向かい続けてきた小枝すみ子・千代田区議会議員が9期目を目指す。
小枝候補は告示日のきょう16日、江戸の名残をその名に留める神田で第一声をあげた。
「利権政治を、天の声で契約とかいろんなことに介入して区民が知らないところで物事を決める(千代田区)議会を変える」
皇居、東京駅、秋葉原などを抱えている千代田区は、再開発の宝庫だ。巨額の資金が動く再開発には、デベロッパーはもちろんのこと行政も前のめりになる。
小枝氏は関東大震災の教訓を残す神田警察署前のイチョウ並木の伐採に反対し、二番町の日テレ跡地の高さ制限撤廃に異論を唱えてきた。
神田警察署前のイチョウ並木をめぐっては、千代田区は抜き打ちで伐採を強行しようとしてきた。住民は木にしがみついて阻止してきた。
ところが千代田区は区のホームページで「反対者(反対住民)の暴力により警備員と区職員が転倒させられ負傷する事案が発生した」などと述べた。
住民側は「事実とは異なる」として撤回謝罪を求める文書を14日、千代田区役所に提出した。樋口高顕区長宛てである。
住民の前で「転倒」とは「転び公妨」のことである。多くの逮捕者を出しながら米軍ヘリパッド基地建設を強行した沖縄の高江を想起させる。
千代田区のホームページは「転び公妨」を自ら明らかにしたようなものだ。行政と開発業者が牙をむいたのである。
だが小枝候補は怯まない。「止められるのは区民しかいない。私も先頭に立って頑張る」。小さな体一杯に闘志をみなぎらせて9期目を目指す。
~終わり~