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「デモ中止」を宣告する警察官。主催者の肩には別の警察官の手(白手袋)が置かれている。いつでも逮捕しますよ、という意味だ。=24日、新国立競技場そば 撮影:小杉碧海=
オリンピックの来年開催に向けて突き進む安倍政権の狂気を代弁するような警察の弾圧だった。届け出デモをコース上で中止に追い込んだのである。(デモ主催者:オリンピック阻止委員会)
きょう24日は、コロナに見舞われなければ、「東京オリンピック2020」の開催日だった。これに合わせて、主催者は2年前から警察にデモ申請をしていた。
20人余りのデモ参加者に対して制服・私服の警察官は目視できるだけで80人ほどだったか。それにカマボコ(機動隊輸送車)2両、ゲリバン(逮捕者護送車)1台が控えた。
弾圧に向けた並々ならぬ意欲の表れだった。
デモコースはオリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の外周を3周する予定だった。
約1時間かけての1周目は つつがなく 終わった。この時点で記者クラブメディアは引き揚げた。
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「世界のどこにもオリンピックは要らない」。道路上に五輪反対のメッセージボードを置いて抗議する参加者。=24日、新国立競技場そば 撮影:小杉碧海=
30分近く休憩しての2周目に異変は起きた。本庁(警視庁)公安部が参加者の顔写真を執拗に撮影したことに主催者が抗議して、デモ行進を止めた。
主催者が「(肖像権の侵害にあたるので)写真を消去するよう」警察に求めたが、警察はノラリクラリかわして聞き入れなかった。
一方で警察はデモを再スタートさせるよう主催者に迫った。デモ隊は応じなかった。
膠着したまま1時間が経過した。指揮官らしき警察官が「検挙するっ」と声を張り上げた。午後6時12分頃である。それから5分後、別の制服警察官が「中止」を宣言した。
警察1個小隊は力づくでデモ隊を路上から締め出した。あっと言う間だった。
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道路上から締め出されながらも抗議する参加者。スマホで警察官の写真を撮った。=24日、新国立競技場そば 撮影:小杉碧海=
オリンピックは弱者排除がつきものだ。競技場周辺から野宿者(ホームレス)が締め出されたりする。北京五輪しかり、リオ五輪しかり。東京も例外ではなかった。
デモ主催者は野宿者の支援活動に長年あたって来た人々だ。新国立競技場建設のため締め出された野宿者の姿も隊列の中にあった。
そもそもこの国はオリンピックなんぞ開催できる状態ではなかった。オリンピックさえなければ、コロナの初動が遅れることもなかった。
無理に無理を重ねてきた結果が今の惨状だ。オリンピックを断念しなければ、国家が破滅するほどの事態が起きるだろう。
~終わり~