新聞社の司法記者たちとの賭け麻雀を週刊文春にスクープされ、次期検事総長の座を失った黒川検事長(当時)。
検事長と記者3人は常習賭博で市民団体から告発されていたが、東京地検は10日、4人をいずれも不起訴処分とした。
告発した「税金私物化を許さない市民の会」は納得が行かないため、きょう、東京地検に出向いて説明を求めたが、体よく追い返された。
「市民の会」の代表は、検察庁の一階ロビーから内線電話で東京地検と交渉した。相手は4人を不起訴処分にした田渕大輔検事付きの事務官。事務官は尋ねても名を名乗らなかった。
市民の会代表が「不起訴にした経緯を聞きたい」と問うと、事務官は「不起訴処分理由告知公開申請書を出してくれ」と答えた、という。返事はそれだけだったそうだ。
当然と言えば当然だが、記者クラブメディアは一社たりとも、取材に来ていなかった。
刑事訴追の甘さ以上に追及しなければならないのは、検事長の賭け麻雀の相手3人が司法担当の記者だった、ことだ。
3人とは、大竹直樹、河合龍一(産経新聞記者)、大島大輔(朝日新聞経営企画室副室長:元司法クラブ記者)だ。
3人をめぐっては常習賭博罪以上に重い罪がある。官邸の意を汲んだ黒川検事長による世論操作に手を貸したのではないか、という疑いだ。
検察は小沢一郎を冤罪で陥れようとした。一方で甘利明の斡旋利得、下村博文の政治資金規正法違反は真っ黒けでも強制捜査に乗り出すことさえしなかった。
これらの事件にあたって検察に都合のいい報道をしてきたのが、マスコミの司法記者たちだった。
不起訴処分の通知が市民の会に届いたのは12日。記者会見の2日後だ。告発者よりマスコミを優先したともとれる。
記者クラブが世論操作の道具として使われていることがよく分かる。
(文中敬称略)
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