「野党はガンバレ」「野党は共闘」。安保法案のインチキ強行採決から早や一週間余り。学生たちのコールが変わった。
彼らは政治に敏感だ。コールは腰の重い野党指導者に向けられているようにも聞こえた。
共産党の志位委員長が民主党の岡田代表に「国民連合政府の樹立」「戦争法廃止」「選挙協力」を持ちかけたが、岡田代表は慎重だ。
『安倍政権を倒すことを最優先しなければ、がんじがらめの独裁政権になってしまう』―
強い危機感を抱く学生たちが、きょう、民主党と共産党の議員に声をかけ『反安保、反アベ集会』を名古屋で開いた。(主催:SEALDs TOKAI)
民主党からは山尾しおり議員と近藤昭一議員、共産党からは小池晃副委員長と本村伸子議員の計4人が参加した。
「新しい政府を作ろうじゃないか。共産党も変わった。野党が力を合わせて選挙協力して、(安保法制を)強行して間違いだった、と安倍総理に涙を流させるようにしましょう」。小池副委員長が高らかに呼びかけた。
民主党の近藤昭一議員も「野党協力して過半数を取る。戦争法を廃案にして違憲の訴訟も起こしましょうよ」と応じた。
「僕は安保に反対するリベラル勢力の結集を求めます」。マイクをにぎって民主党と共産党の背中を押したのは、三重県の大学院生だ。
地元名古屋の大学1年生は拙ジャーナルのインタビューに次のように話した。
「民主党は中道ゆえに共産党と分かりあえない所もある。ただ安倍政権打倒の1点で協力してほしい。倒したら解散すればよいのだから」
― 大学1年生はこう話すと「これ以外に希望がない」とまで言った。若者たちは切羽詰まっているのだ。
殺し合いを続けていた国民党と中国共産党は、日本軍を追い出したい一心で手を組んだ。「国共合作」である。
アベ政権は なまなかな事 では潰れない。最悪にして最強の政権なのである。
名古屋駅西口に集まった参加者の大半は中高年だった。「ママの会」やベビーカーを押した父親の姿も目についた。
ジイちゃん、バアちゃんは学生のコールに合わせて体をくねらせた。
学生たちは世代間の接着剤となっていた。これが政党間の接着剤となれば、アベ政権崩壊も見えてくる。
~終わり~