「民共合作」学生が背中押す

「戦争法、どえりゃあ反対」。名古屋弁のコールが秋空に響いた。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

「戦争法、どえりゃあ反対」。名古屋弁のコールが秋空に響いた。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

 「野党はガンバレ」「野党は共闘」。安保法案のインチキ強行採決から早や一週間余り。学生たちのコールが変わった。

 彼らは政治に敏感だ。コールは腰の重い野党指導者に向けられているようにも聞こえた。

 共産党の志位委員長が民主党の岡田代表に「国民連合政府の樹立」「戦争法廃止」「選挙協力」を持ちかけたが、岡田代表は慎重だ。

 『安倍政権を倒すことを最優先しなければ、がんじがらめの独裁政権になってしまう』―

 強い危機感を抱く学生たちが、きょう、民主党と共産党の議員に声をかけ『反安保、反アベ集会』を名古屋で開いた。(主催:SEALDs TOKAI)

 民主党からは山尾しおり議員と近藤昭一議員、共産党からは小池晃副委員長と本村伸子議員の計4人が参加した。

小池晃副委員長(共産、右側)と近藤昭一議員(民主)。「民共合作?」に向けた秘策を練っているのだろうか。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

小池晃副委員長(共産、右側)と近藤昭一議員(民主)。「民共合作?」に向けた秘策を練っているのだろうか。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

 「新しい政府を作ろうじゃないか。共産党も変わった。野党が力を合わせて選挙協力して、(安保法制を)強行して間違いだった、と安倍総理に涙を流させるようにしましょう」。小池副委員長が高らかに呼びかけた。

 民主党の近藤昭一議員も「野党協力して過半数を取る。戦争法を廃案にして違憲の訴訟も起こしましょうよ」と応じた。

 「僕は安保に反対するリベラル勢力の結集を求めます」。マイクをにぎって民主党と共産党の背中を押したのは、三重県の大学院生だ。

 地元名古屋の大学1年生は拙ジャーナルのインタビューに次のように話した。

 「民主党は中道ゆえに共産党と分かりあえない所もある。ただ安倍政権打倒の1点で協力してほしい。倒したら解散すればよいのだから」

 ― 大学1年生はこう話すと「これ以外に希望がない」とまで言った。若者たちは切羽詰まっているのだ。

老いも若きも。男性(右端・手前)は学生のコールに合わせて手を振り声をあげた。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

老いも若きも。男性(右端・手前)は学生のコールに合わせて手を振り声をあげた。=27日、名古屋駅西口 写真:筆者=

 殺し合いを続けていた国民党と中国共産党は、日本軍を追い出したい一心で手を組んだ。「国共合作」である。

 アベ政権は なまなかな事 では潰れない。最悪にして最強の政権なのである。

 名古屋駅西口に集まった参加者の大半は中高年だった。「ママの会」やベビーカーを押した父親の姿も目についた。

 ジイちゃん、バアちゃんは学生のコールに合わせて体をくねらせた。

 学生たちは世代間の接着剤となっていた。これが政党間の接着剤となれば、アベ政権崩壊も見えてくる。

    ~終わり~

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