5年前のきょうを思い出す。「戦争法反対」「憲法違反だ」…国会議事堂前では、数万人の市民が法案に反対する声をあげていた。
午前2時、集団的自衛権の行使を可能にする安保法制(いわゆる戦争法)は、与党の賛成多数で可決成立した。
「5周年集会」がきょう、国会議事堂前で開かれた。
「戦争法」という言葉の生みの親である福島みずほ議員に聞いた。
福島議員は「空母が持てるようになった。自衛隊が中東に派遣された。防衛予算が拡大された・・・敵基地攻撃能力なんて言い始めた」と語った。
そう。事態は悪化しているのだ。
安保法制施行後にあった総選挙(2017年)で野党は大敗を喫した。まもなく実施されるであろう総選挙でも議席の激減が予想されている。
野党の衰退は「負け続けたから今がある」「実り多き敗北」などと宣う御仁が引っ張る護憲平和運動と連動する。
5年前は怒涛のごとく若者が国会に押し寄せていた。きょうは若者の姿を探すのにひと苦労した。
戦争法が強行採決される20日前、国会議事堂前を訪れた坂本龍一さんが、学生たちにエールを送った。
「まだ日本には希望があると思った。仮に安保法案が通ってもこれで終わりにしないで行動を続けてください」。
当時の学生たちは社会人となり、体制に取り込まれてしまったのだろうか。
香港を見れば分かるようにファシズムは瞬く間にやってくる。気がついた時はもう遅い。
~終わり~
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