この国の政治はどこまで弱いものを虐めれば気が済むのだろうか。瀕死の状態にある飲食店を救うはずの事業なのに、潤うのはオンライン予約業者だ。
国からは事務手数料を得て、飲食店からは送客手数料を得る。オンライン業者がカネの2重取りをしていることが分かった。
きょう国会内であった対政府野党ヒアリングで明らかになった。
カラクリはこうだ―
オンライン業者13社は、Go toイートの事務委託費として国から61億円を得る。
一方で飲食店からも送客手数料を取る。手数料はランチで50~100円、ディナーで200円だ。飲食代の8%~10%を取るサイトもある。
13社のうち手数料を取らないサイトもわずかにあるが、ほとんどが手数料を取る。
飲食店は客一人当たり100円、200円の儲けで商売が成り立っている。オンライン業者はそこを掠め盗っていくのだ。
道理で飲食店がバタバタ潰れるはずだ。
ある野党議員は「飲食業者は『割引券の方がいい』と言っている」としたうえで「(政府は)困っている飲食店を応援するといいながら、オンライン業界を応援している。何か匂う」と首を傾げた。
Go toイート事業は4月に閣議決定されたが、当初は経産省の事業だった。国会で追及され、農水省の事業となった。
経産省の事業計画では、オンライン予約事務経費の占める割合は90%で、残る10%が割引券だった。農水省の事業になって50%にまで減った。
持続化給付金もそうだったが、オンラインをかませて、手続きを複雑化させれば、介在する業者が儲かるカラクリがある。
~終わり~
◇
『田中龍作ジャーナル』は読者のカンパにより続いています。何とぞ宜しくお願い申し上げます。コロナの影響で運営が厳しくなっております。 ↓