今ほど母親が辛い時代はない。原発事故による放射能汚染に加えて子供を戦争に取られる恐れが出てきたからだ。
だからといって泣き寝入りするわけにはいかない。新しい命を生む女性たちが、母の日のきょう、「戦争、原発、差別のない世界を」と訴えて東京の下町をパレードした。(主催:女たち・いのちの大行進)
北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から1,200人が参加した。(主催者発表)
「子供たちの命のことを考えると、原発を止めるのは女しかいない」。こう話すのはきょうのパレードのために鹿児島から駆けつけた女性だ。彼女が育てあげた子供は31歳になる。
東京三鷹市の母親は、現在17歳の娘が3歳の時に言った言葉が忘れられない。「ワタシが思っていた世界と違っているみたい。早くワタシが思っているような平和な世界になるといいなあ」。それ以後、母親は平和の尊さを深く考えるようになった。
ポーランド出身のジャーナリスト、ハンナさんは日本に来て20年になる。福島の原発事故当時18歳と5歳だった子供を実家のあるポーランドに帰した。
「フクシマ・リコンが示すように日本の女性は強い。ダンナが全然サポートしなくても平気」。ハンナさんの“日本分析”だ。
何度も拙サイトで紹介しているが、経産省前の脱原発テントは2012年秋のある朝、潰されそうになったことがある。制服警察官たちが取り巻くなか、私服刑事が踏み込もうとした。その時、体を張って守ったのが年配の女性だった。
母は強し。安倍さんだって、原子力村のお歴々だって母親のお腹から生まれて来たのだ。