
島﨑委員はサバサバとした表情で退任の記者会見に臨んだ。=18日、原子力規制庁 写真:筆者=
原子力規制委員会の島﨑邦彦委員が任期を終え、きょう付けで退任した。活断層が専門の島崎委員の審査をめぐっては政財界から「厳格過ぎる」として交代を求める声が公然とあがっていた。
島崎委員は退任の記者会見で「(私の審査は)厳格ではない。普通のこと」と話した。
電力会社に対しては「事業者は変わらないといけない」と述べ、最後まで公正な姿勢を貫いた。
5月に国会に提出された政府の人事案で、島崎委員の留任はなかった。事実上、安倍政権に更迭されたとも受け取れる。再稼働慎重派を排除するための巧妙な人事とも言えそうだ。

新委員の田中知・東大教授。どういうスタンスをとるのか? と質問されると「これから考える」。曖昧な姿勢が印象的だった。=6月13日、原子力規制庁 写真:筆者=
この日、島﨑委員と共に大島賢三委員も任期を終えた。2人に代わって新しく委員になるのは、石渡明(東北大教授=地質学)と田中知(東大教授=原子力工学)。なかでも田中教授には厳しい視線が注がれている。
田中教授は日本原子力学会会長、原子力産業協会理事などを歴任しており、東電記念財団や原発メーカーなどから760万円の報酬、寄付を受け取っていたことが明らかになっている。
公正な審査を期待する方が、無理というものだろうか。