
国際社会からの生活支援物資。にもかかわらずイスラエルと米国中心の暫定統治機構が停戦後も搬入を管理する。日本政府要員はそのパシリとなりそうだ。=ガザ 撮影:田中龍作=
朝日新聞(14日付)の1面トップを見て我が目を疑った。次に誤報であることを願った。
日本政府がガザ暫定統治機構に要員を派遣するというのだ。国連ではない。米国とイスラエルが中心になって運営する統治機構なのである。呼称は「文民・軍調整センター(CMCC)」。
主たる業務は「停戦監視と支援物資の搬入を監視」することのようだ。イスラエル軍の悪虐非道をほぼマンマ引き継ぐだけではなないか。
停戦監視といってもイスラエル軍の銃砲撃には目をつむり、ハマスの武器使用には厳しく対応する。
イスラエルの顔色を窺いながらの業務遂行である。イスラエル軍のように「ハマスに支援物資が渡るから」と言って、搬入を止めたりするのだろうか。
「文民・軍調整センター(CMCC)」のオフィスは(ガザ境界の)イスラエル南部に置くというから、現在、物資搬入に使用しているケレームシャローム(写真↓)のゲート近くだろう。

ガザ南部ケレームシャローム検問所。物資搬入ゲートである。この近くのイスラエル側に暫定統治機構のオフィスが置かれそうだ。=撮影:田中龍作=
ブッシュ米大統領の「テロとの戦い」(2001年~)に真っ先駆けて追随した小泉政権は、海上自衛隊をインド洋に派遣し、米艦船に給油するなどした。
イスラム世界の日本を見る目が素早く変わった。アフガン復興支援に携わっていた日本人ボランティアは、顔を曇らせながら次のように語った。
「これまで暖かく迎え入れてくれていた地元住民の目が、チクチクと射すようなものに変わった」。
ガザに限らずパレスチナの西岸で活動する日本人ボランティアが危険な目に遭わないことを祈るのみだ。ガザの日本人ボランティアは背負いきれないほどのリスクを抱き込むことになる。
~終わり~
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ガザは偽りの停戦が続いています。
逮捕逃れのために、どうしても戦争を続けたいネタニヤフ首相は、停戦協定を破ってレバノン南部への攻撃を再開しました。
パレスチナ西岸でも軍事作戦を進めています。
パレスチナもレバノンも田中のホームです。現場で取材しないことには本当の惨状が伝わりません。
交通費が圧倒的に不足しています。皆様のご支援だけが頼りです。伏してお願い申し上げます。

















