安全対策を朝令暮改されると、不安このうえなくなる。福島第一原発の地下貯水槽から放射能汚染水が漏れ出した事故をめぐって、東電はきょう午前中の記者会見で“3号水槽の汚染水は他の水槽に移送しない”との方針を示していた。
ところが夕方、本日2度目の緊急記者会見を開き“3号水槽の汚染水のうち2,000トンを6号水槽に移送する”と明らかにしたのである。
筆者は尾野昌之・原子力立地本部長代理に方針転換の理由を質問した。尾野本部長代理は「2号水槽の(汚染)水をすべて1号水槽に移してしまうより…」などと訳のわからない説明に終始した。3号水槽の事を聞いているのに、3号水槽については答えず2号水槽の事ばかりを滔々と述べた。
3号水槽は漏えい検知孔の水位が南西隅と北東隅で大きく違う。南西隅が80㎝であるのに対して北東隅は45㎝となっている。
筆者は「水槽自体が傾いているのではないか?」と質問した。水槽は土のうえにシートを被せただけの安普請だ。1万トンもの汚染水による重圧で柔らかい所が陥没しているのではないだろうか。
尾野本部本部長代理は「構造上考えにくい」と否定した。東電の原発事故をめぐっては、いつも後になって真相が明らかになる。何か隠されているのではないか? 筆者の杞憂であればよいのだが。