
日の丸、旭日旗、抗議のプラカードで会場はカオスだった。写真奥は神谷代表。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
飛ぶ鳥を落とす勢いの参政党が、横浜桜木町で街頭演説をした。妄言暴言で話題を呼ぶ初鹿野ひろき議員の地元である。
初鹿野議員が前座を、神谷代表が真打をつとめた。街宣のメッカは支持者とカウンターで一杯になった。双方合わせて数百人はいただろう。
「レイシスト帰れ」…抗議の声をあげるカウンター。それを実力で止めようとする参政党スタッフ。
会場は緊迫し、神奈川県警の制服私服数十人が出動した。
取材中のジャーナリストに参政党の支持者と見られる男性がツバをかける騒動が起き、警察の捜査が入る事態となった。
初鹿野議員は、参院選直前の6月、X(旧ツイッター)に「捏造(ねつぞう)された南京事件」「南京大虐殺が本当にあったと信じている人がまだいるのかと思うと残念でならない」と書き込み、SNSが炎上した。
選挙期間中の街宣では、批判的なプラカードを掲げていた人々に対して「非国民」と言い放っている。

国会議員の演説を建築資材のようなもので隠す参政党スタッフ。何をコソコソしているのか。奥にいるのは初鹿野議員。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
用心しなければならないのは、この党が戦前の治安維持法に例えられるスパイ防止法の制定に前のめりなことだ。
神谷代表は参院選の街頭演説で「極左の考えを持った人たちが社会の中枢に入っている」としたうえで「極端な思想の人たちは辞めてもらわなければならない。それを洗い出すのがスパイ防止法だ」と強調した。一部の公務員を指すものと見られている。
参政党は今回の参院選で大躍進し法案提出権を得ており、自民、維新、国民民主と手を携えれば、スパイ防止法の実現は絵空事でなくなる。
国会に上程された場合、れいわ、共産、社民は本気で反対してくれるだろうが、数の力で押し切られることは目に見えている。

参政党スタッフは抗議のスピーカーにフタをした。公党として大人げない対応だ。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
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