
警察の警備は厳重だった。カウンターを阻む制服警察。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
昨日あった参政党の横浜街宣で取材中のジャーナリストが、同党の支持者と見られる男性にツバを掛けられた。
目撃者がいたため警察は男性をその場で拘束し、署に連行した。DNA鑑定でジャーナリストの体に付着した唾液が男性のものと判明すれば、男性は刑事処分される。
粗末な身なりで髪はボサボサだった。男性が豊かでないことは確かだった。田中は貧困問題取材を四半世紀続けているから分かるのだが、彼は貧困層だ。(それが悪いというのではない)
主催者がカラーコーンで囲い込んだ指定席に入らず、外周で神谷代表の演説に熱心に耳を傾ける人々がいた。皆ではないが、中には異臭を放つ人もいた。風呂に入っていないのと、着たきりの服が臭いの元だ。

参政党支持者を阻む警察。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
貧困はこの先どこまで広がるのか、想像もつかない。正社員が炊き出しの列に並ぶほどだ。庶民は満足に食べることもできない。
都内在住者は家賃の高騰に苦しむ。どうやって生きてゆけというのか。
参政党は深刻な貧困問題に上手につけ込んだ。
参院選では大胆な減税を訴えた。現在50%に近い課税比率(労働分配率)を大幅に引き下げる、というのだ。消費税減税はもちろんのことである。
選挙の結果、大躍進となったことは言うまでもない。

神谷代表はいつものごとく辻説法を展開した。=15日、横浜桜木町 撮影:田中龍作=
参政党支持者と見られる貧困男性の唾棄事件から、見えてきたのは―
財政規律ばかりを言って貧困層に目を向けようともしない某野党を人々が支持するはずもない。
国民を食べさせること。政治の当たり前の姿を示せる党が、右であれ左であれ議席を増やす。
~終わり~
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