
広島のデモで警察に手錠を掛けられた若者の写真を見た時、この光景を反射的に思い出した。=2019年 香港 撮影:田中龍作=
G7広島サミットに反対するデモ隊を機動隊が問答無用で弾圧した。いわゆる極左であったとしても普通に歩いている限り、暴力で押さえつけるのは違法である。
市民の注視と抗議のおかげで機動隊員の膝で押さえつけられずに済んだデモ参加者もいた。命拾いしたと言っても過言ではない。
2019年の香港を思い出す。普通選挙の実施を求め、習近平体制にとって不都合な人物の身柄を中国大陸に送ることに反対する民主化デモを警察が徹底的に取り締まった。機動隊の中には人民解放軍も交じっていたとされる。
デモ隊は10代20代の若者が中心だ。彼らを市民が守った。機動隊から追われるデモ隊を匿う商店やレストランもあった。
デモ参加の学生をマイカーで家まで送り届けるボランティア集団もいた。
日本に話を戻す。改憲され人権が蔑ろにされるようになれば、デモを取り締まることなど朝飯前になる。
過激派だから弾圧されても仕方がないだろうなどとタカをくくっていると、警察の暴力は市民に向かう。明日は我が身である。

倒れたデモ参加者はピクリとも動かなかった。救急車ではなく警察車両で搬送されて行った。=2019年 香港 撮影:田中龍作=
~終わり~
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