健康保険証がなければ、医療費は本人が10割負担となる。貧乏人は病院にかかることもできない。死ねと言わんばかりだ。
女房が勤めていた会社を辞めた時、国民健康保険に切り替えるため、すぐに区役所に手続きに行った。病身だからだ。
喘息持ちの女房は救急搬送されたこともある。消防の救急隊員は我が家に到着するなり「健康保険証はお持ちですか?」と聞いてきた。その時はまだ会社にいたため健保組合の保険証があり、救急搬送してもらえた。
その時から、「健康保険証は命綱」との認識が我が家を支配した。
まずは健康保険証を入手しなければならない。区役所に行ったところ、対応した新米の職員は杓子定規に「会社の保険組合から脱会届がまだ届いていないため、国民健康保険証は発給できない」と拒否した。制度上当然と言えば当然なのだ。
来週にも強行採決されるとの見方がある「健康保険証廃止法案」の廃案を求めて、全国保険医団体連合会(保団連)が、きょう(25日)、新宿で署名活動や街頭演説を展開した。
保団連はコンピューターで一括管理されるマイナ保険証※の危険性を訴えた。(※マイナ保険証はマイナンバーカードを保険証として使う)
トラブルが相次ぐマイナ保険証には、別人の情報が7,300件超も誤入力されていたことが明らかになっており、加藤勝信厚労相が23日、「大変申し訳ない」と謝罪した。
誤入力も怖いが致命的なまでに恐ろしいトラブルが起きている。保団連によると、マイナ保険証を利用しようとした際、「資格なし」と表示されたケースがこれまでに44件(44人)もあったという。しっかり保険料を払っている(徴収されている)のにもかかわらずだ。
原因としては入力ミス、紙の保険証からマイナ保険証への切り替えのタイムラグなどが考えられる。
マイナ保険証の利用率は現在のところ2.3%に過ぎない。来年あるいは再来年から強制されて利用率が100%になったら、どうなるか。
単純計算して約2千件(2千人)が「資格なし」となるのである。本来1件たりともあってはならないのだ。従来の紙の保険証であればこんなトラブルは起きない。
病院にかかるには10割自己負担となる。高額だ。貧乏人は病院にかかることもできず、病に苦しまなければならない。最悪のばあい命を落とす。
貧困が進む一方の日本。マイナ保険証だけは強制してはならない。入力ミスやタイムラグが庶民の命を奪うことになる。
~終わり~
◇
【読者の皆様】
お一人が一ヶ月に一度、500円を寄せて下されば、『田中龍作ジャーナル』は存続できます。↓