この国の政府は人の命を何だと思っているのだろうか。
3回目以降の難民申請者を本国に強制送還できるようにする入管難民法の改悪法案が、あさって1日にも参院法務委員会で採決される可能性が高い。
危機感を募らせた当事者や支援者約200人が国会周辺に集まり「入管難民法改悪反対」の声をあげた。
軍事政権のミャンマーから17年前(2006年)、命からがら日本に逃れてきたミョーチョーチョーさん(37歳)の姿があった。
高校1年生の時から民主化運動に携わっていたミョーさんは軍事政権に7回も逮捕された。
2005年に出獄。翌年、ブローカーの手引きでミャンマーを出国し日本に辿り着いた。
ミョーさんは3回目の難民申請を却下され、現在は不服申し立て中だ。改悪法案が可決成立し実施されたら、強制送還となる。
ミョーさんは民主活動家であると同時にミャンマー軍事政権が目の敵にするロヒンギャである。強制送還されれば処刑は免れない。
田中はバングラデシュのロヒンギャ難民キャンプを取材したことがある―
軍事政権は2017~18年にかけてロヒンギャ掃討を本格化し、村ごと焼いたり、赤ん坊を生きたまま火の中に投げ込んだりする蛮行を繰り広げた。このためロヒンギャ80万人がミャンマーから脱出した。
極端に低い日本政府の難民認定率。不認定の結論を出す審査員にケースが集中する。それも極度に。難民認定させないように入管が仕向けているとしか考えようがない。
日本政府は難民を受け入れませんよ、と言っているに等しいのだ。
「強制送還されるくらいだったら、ここで自殺する」。前出のミョーチョーチョーさんは淡々と語った。
~終わり~
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