贈賄側の虚偽証言と有罪ありきの二審判決により有罪が事実上確定した前美濃加茂市長が、きょう、最高裁に異議申し立てをした。
藤井浩人・前美濃加茂市長は浄水設備の導入をめぐり業者に便宜を図った見返りに現金30万円を受取ったとして収賄の罪に問われた。
一審は無罪となったが、二審の名古屋高裁は一度も被告人質問を行わない(藤井前市長に発言の機会を与えない)まま逆転有罪判決を言い渡した。問答無用の有罪判決は「本件は冤罪です」と言っているようなものだ。
11日、最高裁は藤井前市長の上告を棄却、有罪が事実上確定した。最高裁が有罪ありきの二審判決を支持するこの国は、すでに法治国家ではない。
最高裁への異議申し立ての後、藤井前市長と郷原信郎弁護士は都内で記者会見を開いた。
郷原弁護士は「最高裁は上告趣意書を読んでいないのではないか。最初から上告を棄却すると決めてかかっていたのではないか」と司法への不信感を露わにした。
検察と名古屋高裁が有罪の決め手としたのは贈賄側の浄水プラント業者の虚偽証言だった。
別の巨額詐欺事件で罪を問われていたプラント業者は、詐欺の認定金額を少なくしてもらおうとする意図があったものと見られている。このため検察と取引し「ワイロを贈った」とウソの証言をした、との見方が支配的だ。
一審は業者の証言を虚偽であるとした。二審は虚偽ではないとした。
刑訴法の改正により、日本でも2018年までに司法取引が施行されることになっている。
郷原弁護士は「司法取引が実施されればもっと酷いことになる」と警鐘を鳴らした。
詐欺の罪で服役中のプラント業者が刑期を終えて出所した際、真実を語れば、再審開始の道も開ける。
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