緑に覆われた神宮外苑の中でもひと際うっそうとした建国記念文庫の森。再開発に備えて一年以上も前から高さ3mのフェンスで覆われてきた。
建国記念文庫の森のうち桜の木一本が幹の途中から折れているのを、見回りの外苑事務所スタッフが見つけた。22日のことだ。
田中は専門家に写真を送って見てもらった。専門家は幹のコケが心配になったようだ。「コケが付いているのは良い状況ではない」。
冒頭で述べたように森が高いフェンスで覆われているため日照、風通しともに劣悪なのだ。
先週、風の強い日はなかった。強風で折れたわけではない。「木が弱っていることも考えられる」と前出の専門家はみる。
小池知事が3選され外苑の再開発が計画通りに進めば、外苑の象徴でもある銀杏並木のすぐ傍に新神宮球場の高さ40mものフェンスが聳(そび)え立つ。
銀杏並木への陽光は遮られ、風通しも悪くなるのだ。
「自然環境を損ねてはいけないんだよ。樹木は人間以上にデリケートなんだよ」。建国記念文庫の森が警告しているようでならない。
~終わり~
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