建築ジャーナリストはじめ十数人の市民で、きょう夕方、晴海フラッグを歩いた。
東京都が都民の財産を市価の10分の1で三井不動産などに献上した土地は、タワマン街となったものの、投機対象となった。
一部報道によると3分の1の部屋は居住実態がない。田中が数えたところ、半分か半分以上の部屋には夜でも灯りが点いていなかった。
複数のメディアが晴海フラッグを「ゴーストタウン」と呼ぶ。田中は過去に3度訪ねているが、今夕は専門家が案内するツアーに参加した。
私たちは公開緑地を歩いているので法的には何ら問題ない。それでも制服ガードマン2人と事務職員風の男性が目の前に立ちはだかった。
事務職風の男性は「政治的な話は止めて下さい」と告げてきた。政治的なアジ演説をしているのではないのだ。
私たちは男性の指示を聞き入れなかった。男性に身分を聞くと「三井不動産レジデンシャルの管理会社の者だ」と明かした。
私たち一行を見張っていたのはガードマンばかりではなかった。30代くらいの女性がスマホで一行の顔を撮り続けた。
参加者の一人が「何を撮っているのですか。肖像権がありますよ。(撮った)映像を見せて下さい」と厳しく言ったが、女性はひるまなかった。
「どうしてあなたに見せなければならないのか?」と開き直る有様だった。
女性は中国語訛りのカタコトの日本語を話す。田中は探りを入れてみた。女性はああ言えば、こう言い返した。明らかにプロだ。
女性はガタイのいい男性と中肉中背の男を従えていた。3人は私たちと一定の距離を保ちながら、最後まで尾行してきた。女性は5m以内、男性2人は10m以内。この距離が変わることはなかった。やはりプロだ。
中国に詳しい友人のジャーナリストによると「中国人が数多くの物件を買い漁っている。ゴーストタウンなどとの悪評が立てば不動産価格は下がる」と話す。
欲に目が眩んだ東京都幹部と三井不動産の不始末が、中国投機筋を焦らせゴーストタウン化に拍車をかける。
~終わり~
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【読者の皆さま】
田中龍作ジャーナルの財政が危うい状況にあります。物価高騰の折、大変恐縮ではありますが、窮地をお救い下さい。