東電と日本政府は一昨日の犯行予告通り、きょう24日午後1時、放射能汚染水を海洋に放出した。
チェルノブイリを見れば分かるようにデブリ(崩れた燃料棒)の取り出しは不可能である。デブリの冷却は半永久的に続くことになる。
すなわち放射能汚染水の放出も半永久的に続くのである。マスコミが唱える「30年」はウソだ。
東京新聞によると2023年度は3万1,200トンを4回に分けて放出する。トリチウムの総量5兆ベクレルに達する。
いくら希釈されようが、5兆ベクレルもの猛毒トリチウムが海洋に出るのだ。それも2023年度だけでだ。
普通の民間人がこれだけの環境汚染をしでかせば即逮捕となるが、国家権力さえも支配下に置く東電と官邸の犯行ゆえ、誰も手を出せない。
環境基準を下回るレベルまで希釈しているため犯罪にはあたらないとする理屈だが、希釈しても海に出るトリチウムの総量は変わらないのである。
東電はカネ儲けを最優先して安全対策を怠った結果、事故を引き起こした。安全対策を講じていれば津波が来てもメルトダウンに至るような過酷事故は防げた。
加害企業だけあって東電は骨の髄まで守銭奴だ。放射能汚染水を処理水と称して海洋投棄する理由は安あがりだからだ。
それは経産省の資料でも明らかになっている。汚染水をセメント状に固形化して地下に埋設すると2,431億円かかるが、海洋投棄だと34億円で済む。約80分の1なのである。
福島原発の事故処理に限らず、安倍政権以降の自民党政治はカネ儲け最優先である。再び世界を震撼させるような大惨事が起きても不思議ではない。
この国の政府は責任を負う倫理観もなければ責任を負う能力もない。
~終わり~
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