8月、アフガニスタンから撤退中の米軍がカブールで実行した空爆は誤爆だった — 米中央軍が謝罪した。空爆はドローンによるもので、民間人10人が犠牲となった。
前回のカブール陥落(2001年末)から間もない頃にも誤爆があった。結婚式を祝っているところを、米軍が空爆したのである。
花嫁、花婿、村人が犠牲となった。米軍側は「祝砲の音を高射砲の発射音と間違えた」とまことしやかな言い訳をしていたが。
コソボ戦争(1998~99年)の際、米軍がベオグラードの中国大使館を“誤爆”した。「米中戦争」の引き金になりかねない事件だった。
結論から言って、誤爆ではなかったようだ。
経緯はこうだ ― コソボで米軍の誇るステルス戦闘機がユーゴ(セルビア)軍の高射砲で撃ち落とされた。ユーゴの精強な高射砲部隊は、チトー時代からの伝統である。
撃ち落とされたステルス戦闘機の残骸は、中国大使館に運び込まれたようだ。
高射砲攻撃に捕まったのでは、何のためのステルスなのか分からない。面目丸つぶれだ。何より、米軍としては機体を解析されたくない。
誤爆は都合のいい理由となった。
戦地では武装勢力が病院や学校に立て籠もる。攻撃しにくいからだ。それでも米軍は空爆する。
誤爆なのか、正確な情報に基づく爆撃なのか。真相は分からない。分かっても機微に触れ過ぎて書けなかったりする。
2015年、アフガニスタンで国境なき医師団の診療所が誤爆され、医師や患者が命を落とした。オフレコを条件に医師から爆撃された理由を聞いた。田中は呆然となった。
当然記事にはできなかった。誤爆の真相は表に出にくい。藪の中だ。
~終わり~