上(自民側)と下(立憲側)の写真を比較して頂きたい。田中はまったく同じ場所から同じアングルで撮影した。
自民・二階幹事長と森山国対委員長が悠然と歩いてくるのに対して、立憲・福山幹事長と安住国対委員長はシャカシャカとせわしなかった。
レンズを広角側に開いていないと福山・安住組はフレームから外れる。隙間の部分が多いのはこのためだ。
カメラは歴然としてある両党の力を如実に捉えていた。
憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案が、きょう4日、大きな節目を迎えた。
改憲に道をつけたい自民が、立憲の修正案を飲み、衆院憲法審査会で可決させたのである。
立憲の修正案とは改憲に関する意見広告のCM規制だ。「改正法施行後3年をめどに検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と附則に盛り込むことで合意した。
合意事項はもうひとつ。今国会会期内に国民投票法改正案を可決成立させることである。
上段の写真は合意文書を交わすため衆院常任委員長室に入って行く4者(自民:二階、森山/立憲:福山、安住)の姿だ。
合意文書を交わした後、福山幹事長は安住国対委員長立ち会いのもとで記者会見をした。
記者団が「自民党の改憲4項目(▼自衛隊の明記 ▼緊急事態条項 ▼教育の無償化 ▼合区解消)のような憲法本体も議論するのか?」と質問した。
福山幹事長は「我々は憲法の議論を否定するものではない」と答えた。
田中も議論そのものまで否定しない。おおいに議論すべきだ。
ところが・・・立憲は自民と握るか、数の力で押し切られる。これまでの経緯が示している。
自民党は緊急事態条項がノドから手が出るほどほしい。私権を制限し、内閣が国会に代わって法律を制定し、衆院の選挙を停止できるのである。
自民との改憲論議に簡単に乗ることの怖さだ。
3日の憲法記念日に開かれた日本会議の集会で、スガ首相も緊急事態条項の必要性を説いている。
国会議事堂の外では国民投票法の改正案に反対する人々が抗議の声をあげた。「採決するな」のシュプレヒコールが響いた。
医療従事者の五輪派遣に反対する看護師の姿もあった。
「コロナに国民の目が向いている時にこんなことをやるのは許せない。国のために命を投げ出せということか。そんなの絶対反対」。奥歯を噛み締めるようにして話した。
~終わり~
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