「9月までに国内の対象者に必要なワクチンの追加供給を受けるめどが立った」。訪米中ファイザー社のCEOと電話会談したスガ首相が、きょう19日、囲み会見で明らかにした。(※記事末にフルテキスト)
この報道に接して「待てよ」と首を傾げたのは私だけではなかった。この日の合同ヒアリングで野党議員が厚労省を追及した。
厚労省は次のように明らかにした—
「わが国のすべての対象者に対するワクチンの今年の9月までの確実な供給にむけてさらなる追加供給の要請というのを今回行った」。
野党議員はさらに追及した。「要請をしたということで、合意とは思えない。合意していたらあなた(厚労官僚)は『確保できた』と仰るはずだ」と。
厚労省によれば、スガ首相の要請に対して、ファイザー社は「協議を迅速に進めたい」と答えたに過ぎないのだ。
無邪気にスガ首相の言うことを信じたとしよう。
9月末まで必要量のワクチンを確保できても、あくまでも確保なのだ。国民に接種されて初めてワクチンの意味を持つ。
供給量が増えても医療体制がそれに追いつかない・・・接種を担当する自治体は悲鳴をあげる。
菅官邸は新聞テレビ報道を拡声器のごとく使い、その一方で自治体への説明は遅くて不十分だ。現場からは不満が漏れる。
合同ヒアリングにウェブ上で参加した高知市の岡﨑誠也市長は「情報がプレスを通じて出る。現場のオペレーションをやっているのは自治体だ」と苦言を呈した。
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※スガ首相囲み、フルテキスト
「米国にてファイザーのCEOと電話会談を行いました。9月までにわが国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう追加供給を要請しました。
CEOからは協議を迅速に進めたいとの話がありました。9月までに供給されるメドがたったと考えています」。
~終わり~
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