「オリンピック中止もありうべし」。二階幹事長の発言で内外は大揺れだ。世界の主要メディアが速報した。
オリンピックのために行政はやはり無理を重ねていたのだ。厚労省はワクチン接種の達成を急ぐあまり、1日あたりの接種人数を3倍にも水増しして自治体に示していたことが分かった。きょう15日の対政府ヒアリングで野党が追及し明らかになった。
厚労省の自治体向け説明会資料によると、「1会場1日(7時間)の接種人数は280人」。1時間あたり40人だ。
これに対して野党から疑義が呈された。
医療体制が充実した自治体でも1時間あたりで接種できるのは13人だという。野党議員は新潟県聖籠町の例をあげた。
厚労省は3倍もの水増し計画を自治体に示していたのである。
厚労省は「これは新型インフルエンザ云々」などと苦しい説明をした。
厚労省のワクチン行政には医療崩壊に直結する本末転倒がある。逢坂誠二議員(立憲)が追及した。
ワクチン接種の優先順位として、まず医療従事者、次に高齢者となっていた。
医療従事者は感染のリスクが高い環境にある。彼らが感染してしまったら医療行為ができなくなる。医療崩壊させないためにも医療従事者を先行接種する。これが本来の方針だった。
ところが2回接種を終えた医療従事者はわずか13%に過ぎない(13日現在)。にもかかわらず高齢者の接種を始めてしまったのである。
逢坂議員は「高齢者の接種を早く始めたということのアリバイ作りにしか見えない。もっと合理的な体制を組んで頂きたい」と強い口調で厚労省に迫った。
実績がほしい河野太郎ワクチン担当大臣の顔色を伺っているのか。オリンピックに向けて官邸の意向を忖度しているのか。
厚労省が気の毒に見えるが、最大の犠牲者は国民である。
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