コロナ禍で経営危機に陥った個人事業者や中小企業に最高100万~200万円支給する「持続化給付金事業」。
事業を請け負った幽霊法人の「サービスデザイン推進協議会」は、「持続化給付金事業」が4月7日に閣議決定される前日にHPのドメインを取得していたことが分かった。
立憲民主党の川内博史議員の追及に対して経産省中小企業庁の那須野太・事業環境部長が認めた(衆院決算行政監視委員会=5月22日)。
「サービスデザイン推進協議会」は、電通とパソナとトランスコスモスが設立した一般社団法人。
これまで閣議決定は森羅万象を司る万能の神だった—
日本語を満足に知らない安倍首相が発した「そもそも」の意味をめぐって、広辞苑の解釈さえも変えた。
検察庁法もお構いなしに、安倍首相にとって都合のいい検事長の定年を延長させた。
竹中平蔵氏が会長を務めるパソナとメディアを支配する電通が絡んだ事業は、この閣議決定をも左右できるのである。
事業を経産省から委託された「サービスデザイン推進協議会」をきょう、野党議員が訪問した。オフィスは電通村ともいわれる築地の一角にあった。
電灯も点いておらず、ひと気もない。インターフォンもない。先週、川内議員が訪問した時にはあった呼び鈴のボタンもなくなっている・・・まさしく幽霊法人の名にふさわしい風情だった。
野党議員は訪問後、経産省から国会内で事情を聴いた。
パソナと電通などが設立した「サービスデザイン推進協議会」は、通産省から769億円で持続化給付金事業を委託され、749億円で電通に再委託した。
電通はパソナやトランスコスモスに再々委託した。
野党議員は「再々委託した金額はいくらなのか?」と聴いたが、経産官僚は「すぐには分からない」と かわした。
公金が食い物にされる時、金の流れが決まって複雑かつ不透明になる。
閣議決定の上を行くパソナと電通は、生きるか死ぬかの瀬戸際にある事業主の苦悶など、知る由もないかのように涼しい顔だ。
~終わり~
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