幽霊法人をかませた「持続化給付金事業」が可愛く見える・・・観光需要の喚起を図ろうという「Go toキャンペーン」だ。
庶民はコロナ感染拡大の第2波におびえ、休業要請が解除されていない業種もある。観光などと言っている場合だろうか。
持続化給付金事業でトンネル会社とも揶揄される「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」は、769億円で経産省から業務委託を受けた。
「Go toキャンペーン」(事業費:1兆5千億円)の業務委託費は3千億円。持続化給付金事業の業務委託費の4倍近い。矢上雅義議員(立国社)がきょう3日、衆院国土交通委員会で追及し、明らかになった。
「Go to」も経産省の所管だ。
3千億円の算出方法について矢上議員が質問すると、経産省は「数千社の事務経費、事業者のシステム構築、コールセンターの運営」などと答えた。
経産省の答弁は、持続化給付金事業の業務委託をめぐって野党議員から追及された時とほとんど同じだ。
3千億円という金額は「関係省庁で協議したうえで計上した」と答えた。観光の専門家などからなるコンサルの意見を聞くこともなく、役人たちで予算を決めるのだ。
委託業者(持続化給付金の場合の「サービスデザイン協議会」に相当)は公募を通じて決める、という。
ここにもカラクリがあることを矢上議員が明らかにした。
公募をかけたのが5月26日。オンライン説明会が6月1日。応募の締め切りが6月8日。
1兆5千億円規模の事業の企画書をわずか7日で提出できるのは、事情をよほど知り得た業者でしかない。
経産省のコントロールが利く業者に業務委託させるのである。そして電通などに再委託させれば、持続化給付金と同じスキームとなる。自在に中抜きできるのだ。
自分たちで予算を決め、自分たちにとって都合のいい業者に事業を委託する。
こうして経産省の「つかみ金」ができる。3千億円という巨額の「つかみ金」が。
矢上議員は国土交通委員会の最後に厳しく指摘した。「経産省のやってることは昭和の時代の官製談合。それを令和に持って来た」と。
国民の血税が食い物にされている。
~終わり~
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