非常事態宣言の国会事前承認さえ拘らない立憲執行部 

代理人の秘書を含めると約100人の野党(立国社)議員が出席した。=9日、衆院会館 撮影:田中龍作=

 自民と立憲の参院国対委員長はきょう9日、新型インフルエンザ特措法の改正案を今週末(13日・金曜日)、成立させることで合意した。

 衆院の国対委員長間でも自民と立憲は12日に衆院を通過させることで合意している。

 「安倍晋三に戒厳令を敷かせる権限を与えるに等しい」。永田町の裏を知り尽くしたベテラン秘書は、特措法が可能にする非常事態宣言の危険性をこう指摘する。

 野党議員(立国社)の中にも安倍首相が切望する特措法の改正に危機感を抱く議員は少なくない。

 執行部はきょう、議員の意見を聞く会合を開いた。非常事態宣言の国会事前承認、延長の事前承認などを自民に求めていくことになった。

 山尾志桜里議員は「事前承認は賛成の最低ライン。交渉でキチッと取れるのか注視してゆきたい」と厳しい表情で語った。

 会合後、立憲の逢坂誠二・政調会長が囲み会見を持った。

立憲と国民は特措法改正で自民と合意がすでに出来ているため、2人の政調会長は物分かりのいいオジサンとなっていた。=9日、衆院会館 撮影:田中龍作=

 記者団が「事前承認を飲まない限りは賛成しないのか?」と問うと、逢坂政調会長は「現段階では白紙」とニベもなく答えた。

 我が耳を疑った田中は「事前承認が絶対という訳ではないのですね?」と確認した。

 逢坂氏は「絶対か絶対ではないかということも含めて、そこは白紙」と述べて「白紙」を繰り返した。

 山尾議員は執行部に不信を隠せない—

 「国対間という見えない所で物事が進んでいる。それを前提に議員に大事な議論の場が与えられずに賛否まで(執行部に)全部一任するというのはちょっとおかしいと思っている」

 「今回、とにかく国対ルートで全てが走っているということは確かだと思います。これは国対マターじゃないですよね、少なくとも。主権の制限に対して国会がどういう歯止めをかけるのか、まさに政策ですね」。

国会前では市民がさっそく声をあげた。「生活してゆけない」との悲鳴もあがった。=9日、永田町 撮影:田中龍作=

 自民党は9日午後、「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策・第2弾」を野党各党に提示した。

1、感染拡大の防止と医療提供体制の整備

2、学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応

3、事業活動の縮小や雇用への対応

4、事態の変化に即応した緊急措置等(特措法の改正)

 4番目の項目以外は改めて言うまでもないことである。野党を舐め切っているとしか言いようのない内容だ。

 安倍自民は野党の主張を通そうともしない立憲を支配下に置き、独裁に向かって突き進んでいく。

    ~終わり~ 

   ◇
安倍政権はコロナ災害を奇貨として、国民の基本的人権を制限してくる可能性があります。

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